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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
250/566

黙して語らない騎士、海外出張です。15


助けに来てくれた船には、フランさんと騎士団の人が乗っていた。


すぐにセトリさんを船に運び、犯人を乗せた船をロープで繋ぐと港まで運ぶ。キラさんは、テキパキと騎士さん達に次の行動を指示して、私を着替えるようにと船室へ案内する。



はぁ・・、犯人達を逮捕しても忙しいんだな・・。

キラさんの背中を見ながら、廊下を歩いていくと、キラさんが船室のドアを開けて、中へ入るよう促すので一緒に入った。


「・・キラさん、なんかごめんなさい・・」

「・・なぜ・・?」


「いえ、さっき面白がっちゃって・・、からかちゃったけど、心配してたんですよね。なんか、忙しいのに・・悪かったなって・・」


ちょっと目をウロウロさせながらキラさんに謝ると、キラさんは小さく笑って、そっと私を抱きしめる。



「・・そんなことはない。元気な顔が見れるのが一番だ・・」



キラさんは、私に甘すぎではないか?

そっと見上げると、優しい顔で私を見ている・・。


「・・ただ、キスはしたかった」

「・・・へ・・?」



思わず間の抜けた顔で、キラさんを見ると、嬉しそうな顔をした

キラさんが、すかさず私にキスをする。



「・・可愛い・・」



低い声が耳元へ響いて、ドキっとしてしまう・・。

いや、待て、仕事中だぞ?睨むようにキラさんを見ると、可笑しそうに笑って私を見てる。


「・・キラさん、私をからかってましたね!」

「お返しだ」


「なっ・・・!!!」


キラさんから、そんな言葉が返ってくるとは!!

ちょっと驚いたのと、恥ずかしいのと、嬉しいのと?!・・なんか複雑な感情になってるのに、キラさんはそっと私から体を離すと、棚から服を出してくる。



「とりあえず、これに着替えてくれ」


「は〜い・・。水着、可愛くないですか・・・?」


そう言いつつ、受け取った服をチラッと見る。


いや、見せないでっていうのは、そんな不埒な格好をして欲しくないって事は分かってるんです・・、似合ってる以前の問題とは分かってるんですけどね・・。


キラさんは、私の独り言のような言葉を聞いて、


「あ、・・その・・、うん・・」


と、視線を彷徨わせてから、私の耳元で内緒話をするように小声で・・、


「・・似合ってる。でも、可愛いから誰にも見せないで欲しい・・。さっきのは、その、そういう意味で・・」


キラさんが・・、

あのキラさんが・・!!

ちゃんと言葉にして、気持ちを言ってる!!!

私は、ついそっちに感動してしまった・・。


「・・・ナル・・?」


感動している私を、ちょっと目元を赤くしてキラさんが見つめる。

あ、そ、そうですね・・。

可愛いから見せて欲しくないんですね・・。いかん、今頃じわじわ嬉しくなってきたぞ・・?


「・・分かりました・・。でも、海で一緒に泳ぎたい時はどうすれば・・?」


そうだよ・・。

海で、一緒に泳ぎたいんだけど・・着衣水泳は流石にできる自信がない。

キラさんは、うっ・・と、言葉を詰まらせ・・、悩みに悩み・・、



「一緒にいる時だけなら・・」



渋々了承してくれた!

やった〜!!時間ができたら、一緒に泳ぎたい!って思ったんだ〜〜!!嬉しそうに微笑むと、キラさんはちょっと眉を下げて笑った。


「・・でも、今は服を着てくれ」


一瞬で、元の無表情に返ったキラさんに、小さく笑って頷くと安心した顔をする。・・うちの夫は心配性だな。



着替えようと思って、ふと手の甲を見る。

『ウルキラ』と書いてある、この手の文字は、そういえばいつ消えるんだろう・・。そう思って、キラさんを見上げる。


「キラさん、この文字って消えるんですか?」

「・・消さないと、ダメか?」


「・・なるほど〜?シーヤに帰るまではいいですけど・・、戻ったら消して下さいね。団長さんにからかわれるの・・、ちょっと嫌ですし・・」



そう言うと、キラさんは静かに頷き・・「団長にも、ルーナと書いておくか」と言うので、吹き出した。確かに!それ、いいかも!!・・ちょっと検討しておこうと思っちゃった。



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