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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
248/566

黙して語らない騎士、海外出張です。13


ジュースを貰って飲んだ事までは覚えている・・。

ちょっと目を瞑って・・、それでここ??


とりあえずセトリさんは大丈夫だろうか?そう思って、様子を見ると・・静かに寝息を立てているので、ホッとした。



立ち上がって、小さなはめ込みのガラスの窓を覗くと・・、海だ!

海の上にいる。

じゃあ、ここは・・船の中・・?


ソマニに乗ってきた船とは違って、小さいサイズだろうけど・・、恐らく船だろう。扉もあったので、そっとドアノブを回すがやはり鍵が掛かっている。だよねー・・・。


窓の外をもう一度見ると、向こう岸がチラッと見えた。

ソマニだろうか・・。

これがガダの近くだったら・・?そう思ったら、ゾクッとした。ソマニは、ガダにも近い・・。これまた三時間くらいで着いてしまう・・。今は夜だとしたら・・、余裕で着いている可能性もある。



ふと、考え込んでいると・・口元にもっていった手を見る。

手の甲が、白く・・淡い光を発している。



『ウルキラ』



まるで、どこにいる?と、ばかりに淡く光るから・・、胸がぎゅっと痛む。


「・・・キラさん・・・」


思わず、名前を呟く。

どうすればいい・・?誰かが入ってくれば、キラさんの守護魔法で弾け飛ばせるけど・・、こっちにはセトリさんもいる。一人で守れる自信はない。


そう思っていると、突然・・

船がドスン!!と、何かが落ちてきたような音がする。


「・・え、なに・・?」


思わず、体が跳ねて・・

慌ててセトリさんの方へ駆け寄る。

何かあったら、セトリさんをとにかく守らないと・・!!


そう思っていると、外から怒号が聞こえて、またも体がビクッと跳ねる。こ、怖いよ〜〜!!!!キラさん〜〜!!!!



セトリさんをなんとか抱えて、部屋の端っこへ連れて行く。少しでも視界に入りづらい場所へ移しておかないと・・。その間に、外では鈍い音がしたり、何かが激しく割れる音や、ぶつかる音が聞こえて・・、その度に体がすくむ。


「・・・キラさん・・」


手の甲のキラさんに、呼びかけるように囁く。

何かあったら知らせて欲しい・・と言ったけど、気付いてくれるだろうか。


と、ドアを激しく叩く音が聞こえる。


こ、怖い!!!

どうしたらいいの〜〜〜!!??


バキ!!!と、扉が破壊されて、

ドアが開く。ぎゃあああ!!!まさかの破壊!!!!肩が跳ねて、もはや涙目である。



「ナル!!!」


「・・・っへ?」



キラさんが、すごい勢いで部屋へ入ってきて、私は目を丸くした。

助けに・・来てくれたの??


ホッとして、キラさんの所へ駆け寄ると・・、不意に何かが打ち上がる音が聞こえた。


「・・え?」


ドン・・!!と、花火が打ち上がって、私は思わず破壊されたドアの外を見る。花火・・?お祭りって、明日じゃなかったっけ?あれ〜?もしかして、お祭りまで寝ちゃってた?


キラさんを見上げると、私を見て固まっている。


「・・キラさん・・?」

「・・・その、格好は・・」


「ああ、これですか?水着です。セトリさんと、ここへ来るまで泳いでたんで・・」

「泳いで・・・」


キラさんは、そう言って私を上から下までゆっくり見て、

顔を真っ赤にする・・・。


そうだよねー・・・。

足首出しただけで、真っ赤になっちゃうキラさんだもんね。

この格好は、かなり恥ずかしいよね・・。あ、それだとセトリさんの格好を見たら、もっと真っ赤になっちゃうかも?そう思いつつ、ちょっとスカートの裾をつまんでみる。


・・ちゃんと下に履いてるけどね・・。


と、キラさんがすごい勢いで私の裾をつまんでいる手首を掴んで、そっと下に降ろすと・・、キラさんが着ていたシャツをズボッと頭から被せた。



「・・誰にも見せないでくれ・・・」



そう言いつつ、私が見られないのか・・、真っ赤になって横を向いているキラさん・・。なんか、私まで照れてしまう。えっと、すみません・・?




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