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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
233/566

黙して語らない騎士、誕生日。4


人の誕生日に仕事をさせてはならない。


しかし団長さんは、キラさんを連れていってしまった・・。

しかもニルギさんも呼ばれていたはずなのに、何故か私とケーキを食べている。もちろん団長さんの奢りだ。



最速で済ませてきたのだろう・・。

ちょっと、息を切らせてお店へ戻ってきたキラさんは、フランさんとニコニコ笑いながらケーキを食べるニルギさんを、若干戸惑った目で見ている。


「・・お疲れ様です。キラさん、お仕事終わりました?」

「大体終わらせて、団長に全部押し付けてきた」


キラさんは、私の隣に座って、自分の飲みかけのお茶を飲む。


ちなみに「大体終わらせてきた」は、

「ほぼ制圧した」と、いうことです。


・・これをキッカケに悪者さん・・足を洗って欲しい・・。さぞかし恐ろしかったであろう。なにせ今日は誕生日だ。しかも私付きだ。



フランさんは、とてもいい笑顔で・・、


「あとは団長さんに奢らせておきますから、デートを楽しんで来てください!ウルキラさん本当にお疲れ様です」


さり気なく団長さんに、自分とニルギさんの分も支払わせるフランさん・・最高です。キラさんがしっかり団長さんの財布から支払っていると、ニルギさんは、私を手招きする。



「どうかしましたか?」

「ウルキラな、そういえば・・これが好きだった。ナルにやる」



そういって、私の手に白い丸い球体を乗せた。

テニスボールくらいの大きさだ。



「これなんですか?」

「ウルキラに家に着いたら、教えてもらえ」


そういうとニコッと笑って、お店に駆け込んで来た団長さんの方へ行ってしまった・・。



レシートの長さに恐れ慄いている団長さんと、笑顔のフランさんとニルギさんと別れて、すっかり夕方になってしまった帰り道を歩く。


「なんだか、お祝いデートというより、お仕事でしたね・・」

「・・そうだな」


まぁ、夕飯はちょっと凝ったものだし・・、それでお誕生日気分を味わえるかな?

それにニルギさんにキラさんの好きなものを貰ったし・・。


帰ったら早速聞いてみよう!



・・そう思っていたのに!!

飲み物を買って帰ろうと寄った店で、目出し帽を被った人が立っていて、突然腕を掴まれてナイフを首元に押し付けられているのは、何故でしょう。



「こいつがどうなってもいいのか!!?」



いやぁ・・、良くないけど・・、なんで私なの?


たまたま警備隊の人が追っていたらしくて、逃げた店先に私がやって来て、この通りらしい。キラさんは、多分・・この中で一番殺気立ってると思う・・。


後ろの強盗さんは気付いているだろうか。


「あの・・、自首とかしませんか?」

「ウルセェ!!黙ってろ!!!」


ですよねー。


ナイフの先が首にチクチク当たる・・。

痛い、地味に痛い。

あと怖い・・。


キラさんは、私の目を見ると・・小さく「瞑れ」というので、ぎゅっと目を瞑る。

その瞬間、ピカッと光る。


「うわっ!!!」


強盗は、思いっきり光を見たのだろう。

一瞬体が怯んだ。


その隙を逃さないキラさんが、走ってナイフを手から落として取り押さえた。


私は目を瞑れと言われて瞑ったけど、結構眩しかったのか、目がまだシパシパする・・。


警備隊の人達がものすごく謝り倒しながら、強盗を連れていってくれたけど・・、今日は連続でお世話になりました・・。キラさんは、私の顔を見て心配そうに覗き込む。



「大丈夫か?ナル?」

「うう・・キラさん助けてくれてありがとう・・。でも、ちょっと目がシパシパするんで、手を繋いでもらっていいですか・・?うまく見えない・・」


「・・ああ、もちろん」



結局、誕生日の人にお世話になりながら家に帰るという痛恨の極み!!

おっかし〜なぁ・・、喜んでもらうはずなのに、結局うまくいかなかったなぁ・・。


と、ちょっとしょんぼりしたけど、ニルギさんから受け取ったものがあった!!家に戻ってキラさんに早速聞こうと、意気込むと、転びそうになって、キラさんに受け止めてもらい・・、結局片腕で抱き上げられて帰って行った・・。あ、あれ〜〜???



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