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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
222/566

黙して語らない騎士、温泉旅行。5


温泉から出ると、騎士団御一行様はちょっと休憩してから牧場へ寄って帰るコースである。


・・これ、スライム退治がなかったら、完全に遊びだな。

よくクリスさん首を縦に振ったな・・。


キラさんと木陰でお茶を飲みつつ休憩していると、ライ君も休憩なのかこちらへやって来る。


「温泉とか最高だけど・・、よくクリスさん許可したよね・・」


私がそう話すと、ライ君はちょっと声を潜めて・・


「どうも牧場の近くで、悪霊が出るそうです・・」

「え、悪霊って・・・」


私とライ君は顔を見合わせた。

以前、騎士団の寮で悪霊が出て思いっきり驚かされた記憶を思い出した・・。



「に、ニルギさんいないのに!!」

「大丈夫です!僕も慌てて確認したら、フランさんが、護符を持って来てくれました。」


「フランさん、最高にできる男!!良かった・・、アレにはもう出会いたくない」



私とライ君で、ホッとしていると、団長さんに呼ばれてライ君は行ってしまった。

と、キラさんが私の腰を掴んでそばに引き寄せた。


「き、キラさん?!!」


「・・・俺は・・?」

「・・ん?俺は・・?とは・・・?」


キラさんが、少し拗ねた顔をする。


「・・・さっき、スライムを倒した・・」

「・・・うん・・?」


あ、もしかして、フランさんを褒めたから、もしかして拗ねてる?

キラさんを見上げると、私をじっと見つめている。



「・・・キラさん、さっき助かりました。か、格好いいなぁ〜、素敵だなぁ〜」



わかりやすくおべっかを使ってみると、キラさんは無表情だけど嬉しそうにする。

・・・うん!言葉をもう少し言ってくれると、フォローも楽かなぁ??

思わず笑ってしまうけど、まぁキラさんだしな・・。



そうして、移動の時間になってキラさんの馬に乗るけど・・

ほどよい揺れと、温泉の心地いい疲れで、船を漕ぎそうになる・・。やばい、眠い・・。


前を進む新人騎士さん達が「すごい!ウルキラ団長補佐の馬に乗ってるのに、寝てる!!」って言ってるけど、すまない・・私は結構どこでも寝ちゃうんだ・・。


キラさんが、小さく笑って胸元に引き寄せてくれたので爆睡しそうになる・・。ダメだ・・、一応仕事だし。



団長さんが、私を見て・・


「ナルさん、一番満喫してるね!!」


そう言いますけど、私知ってますよ?さっき温泉で、お土産を買っているの・・。まぁ、団長さんのおかげで目が覚めた。牧場が見えてくると・・、みんなちょっと顔が明るくなる。



と、向こうから何か大挙して来る・・???ど、動物・・・?



クリスさんがギョッとした顔で、


「う、馬と、羊と、牛が逃げてる!!!か、各自、柵の中へ追い込め!!!」



「「「「ええええ??!!」」」」



新人騎士にものすごい無茶振りである。


団長さんが、ゲラゲラ笑いながら・・「ほら、頑張れよ〜」と、言いつつ、これ以上外へ逃げないように馬で通せんぼしている。そういうさり気ない所、偉いよね・・。


私はキラさんを見上げると、


「フラン!護符はどこだ?」

「あ、ウルキラさん、ここに!!」


フランさんが慌てて、持っていたカバンからニルギさん作の護符を出す。それを受け取ると、クリスさんに渡しに行く。


「クリス、こんな一気に逃げるはずがないから、恐らく低級な悪霊の仕業だ。柵に入れたら、これを貼れ」


「は!ありがとうございます!!」

「・・・後は、動物か・・」


キラさんは、ざっと周囲を見る。

新人騎士さん達は、馬に乗りつつなんとか逃げた動物達を柵の中へ追い込んでいく。



柵の向こう側で、農場の管理人さんが「ありがとうございます〜〜!!」って叫んでいる。・・こういう訓練も、普段はあるのかな・・?キラさんを見上げると、ちょっと小さく笑って・・



「初めてのケースだな」

「・・あ、やっぱりそうなんですね・・」



新人騎士さん達は、温泉でさっぱりしたのに・・。お疲れ様です!!!

あとで、飴を配ってあげよう・・。



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