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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
202/566

黙して語らない騎士、ようやく一息。


キラさんの文通が、騎士団の人達との文通になりそうになり・・、私の右手が死にかけそうになった数日後・・、


団長さん達が帰ってきたーーーー!!!!

フランさんも、ライ君もホッとして団長さん達を出迎えた。

ラフさんなんて、思いっきり新婚さんなのにいきなり遠征だもんね・・、お疲れ様でした。


キラさんと、仕事の引き継ぎを執務室でしているけれど、いつもいる人がいる・・、それだけで安心するものだな。


お茶を淹れて、みんなに渡すと、ニルギさんはすでにソファーに座ってお菓子を食べている。安定のマイペース!!


キラさんは、団長さんに書類を渡して、


「以上が、シーヤであった出来事と対処の経緯だ」

「いきなりの大仕事、お疲れ様〜。あとで書類確認する」


団長さんが、パラパラと書類を見る。

・・・絶対、すぐ確認しないな・・、お茶を飲みつつ、そう思っているとキラさんは団長さんの持っていた書類を一旦受け取り、書類の最後のページをめくる。



「2日以内に、この書類を見ないと燃える魔法をかけた」

「は?!!ちょ、なんでそんな重要書類に?!」


「ちゃんと読んだ上でサインをしないと燃える」

「いや、だから何で?!!」


団長さんが悲痛な声を上げる。

横でお茶を飲んでいたフランさんが、微笑みながら・・



「団長さんが出さなきゃいけない提出書類を隠してたからですよね〜?」



ライ君もニコニコ笑って、



「サインをしておいて欲しいってお願いしたのに、こっそり隠してたからですよね〜?」



私も留めに・・、



「提出期限を守ってないから・・、ですよね〜?」



三人で言うと、キラさんは静かに頷いて団長さんに書類を渡した。団長さんは力なく項垂れ、私達は勝利を確信した。本当に大変だったんですよ!!いない間に、王都から連絡きて・・。しかも私は食堂勤めで十分手伝えなかったし。


「か、帰ってきたばっかりなのに〜〜!!」


「頑張って、団長さん!!書類は2時間もあればできますよ!!」

「そうそう、ウルキラさんは、2時間でやりました!!」


フランさんとライ君の追撃、えげつな・・!

ニルギさんは、ゲラゲラ笑ってるし・・。

キラさんは、心なしか少しスッキリした顔をしている・・。うん、なんかやっと執務室の雰囲気、戻ってきたな・・。


「書類は、一ヶ月分は整理しておいた。王都から、今回の遠征についての書類は二週間までにと言われたので、すぐにやるように。これからノーツとクリスの所へ行って新人騎士の訓練の話をしておくから、それまでに片付けてくれ」


団長さんは、涙目になりつつ早速書類を読んでいる。偉いな・・。



「ウルキラ、張り切りすぎてない・・・?」

「・・・いつも通りだが?」



キラさんの後ろから後光が差しているんじゃない?

私達、執務室三人衆は拝んでしまう。

今後とも、団長さんをせっついて下さい!!特に締め切り間近の時に!!


キラさんは言うだけ言うと、ノーツさんとクリスさんのいる訓練場へと出かけていった。


「え〜〜、ウルキラ鬼じゃない?」

「全然、鬼じゃないですよ。むしろ雷魔法で打たれなかっただけ、ありがたいと思って下さい!」


私が団長さんに言うと、団長さんはブーブーと文句を言うので、テーブルにマシュマロ入りのチョコチップクッキーを置いてやった。ニルギさんが若干羨ましそうに見るので、砂糖がじゃりじゃり乗ってるカップケーキをそっと手渡すとパッと顔が明るくなった。



「でも、まぁ・・団長さんが帰ってきて、一番ホッとしてるのはキラさんだと思います」


私がそう言うと、団長さんはちょっと目を丸くする。



「なんだかんだで、見直してましたよ?」



笑ってそう言うと、団長さんはにっこり笑って「知ってる〜」だって!

執務室の皆も、つられて笑ってしまう。


団長さん、お帰りなさい!


あとで、王都からたんまり届いた書類を渡すまで・・、ちょっと心安らげておいてください・・。



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