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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、お手紙を貰う。


夫婦ですけども、文通する事になりました。


朝早く出かけて行くキラさんは私を起こしてすぐに出勤するので、起きた時に渡せるように、夜寝る前にささっと書いておく。


何を書こうかなあ〜。

今日あった事を書いておくかな。キラさんの話も聞けたし・・


『今日は、食堂でジャガイモを2箱分剥きました。剣はできないけど、ナイフなら戦えるかもしれません。新人騎士さん達が、話しかけてくれるんだけど、キラさんの剣の教え方が上手で憧れるって言ってました。ノーツさんは、厳しいけど優しいと話す騎士さん達が、ちょっと初々しくて可愛かったです。お仕事、頑張って下さいね』


「おお、なかなかいいではないか?」


そう思って、ベッドサイドに置いておく。キラさんは、交代制で遅くに帰ってくるので、今日は先に寝るのだ。


これを明日起こしてもらったら渡そう。

ふふっと笑ってしまう・・。明日手紙を渡すのが楽しみだ!布団を被って、目を瞑るとあっという間に眠気がやってきた。



翌朝、


「ナル・・朝だ」

「・・・・んん・・」


低いキラさんの声に、そっと目を開く。

あ、手紙!!


そう思っても、なかなか動けない私の体・・。あ、朝に弱いんだ、ごめん・・。


「キラさん、手紙・・」


ベッドサイドに手をやって、目をこすりつつキラさんに渡すと朝一でキラさんは、嬉しそうに微笑んでちゅっとキスすると手紙を受け取って出勤していった。


手紙効果万歳だな・・。


あんな、渋々出勤しているキラさんが今日は笑顔全開だ。他人から見たら無表情だけど・・。私は、両腕を高く上に伸ばして、ぐっと伸びをする。


そうして、腕を下ろしてキラさんの枕の方を見ると封筒が置いてある!!


「え??キラさんも書いてくれた・・?」


そっと封筒を取って、中を確認すると手紙が入っている!!

え、どうしよ!今、見ちゃう??

いや休憩の時にしよう!


・・・自分もキラさんと同じようにウッキウキだな・・、ハタッと気付いてちょっと顔を赤らめる。


オッケー、私・・クールにいこうぜ?

身支度して、カバンにキラさんの手紙を入れて食堂に出勤した。


朝から騎士さん達や騎士団で働いている人達の朝食作りや、後片付けに奔走し・・、ひと段落ついた所で、私達も交代で朝食だ。


食堂で食べていると、ちょっとした賄いメニューなんかもあって・・、今日はフレンチトーストを出してもらった!美味しい〜〜。フワトロ〜〜!!と、堪能してしまった。これ、食堂の仕事が終わったら太ってるかも・・。



昼食を作る前にある休憩時間に、食堂の外にあるベンチに座って、キラさんから貰った手紙をそっと読む。


なんて書いてあるかな〜?

一文はダメって言ったけど・・、どうかな〜?

ワクワクしながら、手紙を広げる。


『手紙を用意してくれて、ありがとう。

ナルから貰えると思うと嬉しい。昼が待ち遠しい。  キラ 』



「お、おお・・・文が二行になってる!!!」


思わず感動してしまうが、二行である・・。

うーん、私が本気を出したら長文になるから、大分短くしたけれど・・、なんというか無駄を削ぎ落とした、ザ!!!シンプル!!言いたい事は全て込めた!!って、感じだな。


「・・・うん、キラさんだなぁ・・」


そう思うと、なんだか可愛くて思わずクスクスと笑ってしまう。

嬉しくて、何度もたった二行を読んでしまう。


うん、私もなんだかんだ寂しかったのかもな・・。そろそろ昼食を作る時間だな・・そう思って、手紙をカバンにしまって食堂の調理場へ戻る。


と、食堂のお姉さんが手を振って私を呼ぶ。



「ナルさーん!!今日、玉ねぎ2箱だから・・、一緒に泣こう!!」

「えーー、一緒に泣くのーー???」



笑いつつ、調理場へ入っていったけど・・、

キラさんが来る前には終わらせておきたい・・。なにせ絶対心配するだろうし・・。



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