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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、団長補佐4


王子逃亡事件があって、王都の方も大変だったらしい。

あれからすぐに、ルピスさんが転移してやってきた!!執務室にいきなり来たから、すっごいびっくりした。


ニルギさんが、ニヤニヤしながら・・


「なかなか上手に来られたじゃないか」


と、嬉しそうに笑って見ていた。

・・ニルギさん、結構優秀な人・・好きでしょ。


お茶を出して、ルーンさんからの言伝をキラさんは聞くと静かに頷いていた。・・この二人、本当に関係が良くなってよかった・・。王子は転移で王都へ戻してから、王様から沙汰が下されるらしい・・。何かを決めるのにも、王族って身分はすぐに決められらないの・・大変だな。



フランさんと、ライ君とで今日の仕事をこなしていると、ノーツさんを呼んで欲しいと言われたので、筋肉痛が未だ癒えない私に代わって、ライ君が行ってくれた・・。ごめん、ありがとう・・。



「私も体、鍛えないとなぁ・・」

「ふふ、騎士さん達と一緒に訓練しますか?」


「うーん、あんなにハードなのは絶対無理ですけど・・、ちょっと鍛えておきたいかも・・」



フランさんとそんな話をしていると、ひと段落したキラさんを目が合う。



「・・・今度、訓練するか?」

「絶対、ハードじゃなければ・・、少しは」


なにせ、筋肉痛三日目だ。

いや、港までの坂を全力疾走したので、当然といえば当然か・・。最近、デスクワーク多かったし。キラさんは、ふむ・・と頷いて、「後で」というが・・、あとでってなんだ、あとでって・・。



ノーツさんがやってきて、まず王子だけ転移で王都へすぐ戻すとキラさんが伝える。他の手引きした人なんかは、尋問後王都へ転移で確実に、王都騎士団に引き渡すらしい。・・・・王都の騎士団の副団長も兼任している団長さんが、泣きそうだなー・・・。


転移する人数が、まだルピスさんは三人が限度らしいので、ニルギさんと一緒にノーツさん、王子様、そして騎士二人で転移していった。



「・・・あっという間に来て、あっという間に帰っちゃいましたね・・」



書庫でキラさんに書類を整理を手伝ってもらいつつ、思わず呟いてしまった。



ニルギさんと、ルピスさんが帰ってしまって・・ちょっと寂しい・・。ニルギさんなんかは、いつも余裕の笑みなのか、ニコニコしてるけど・・。ああいう緊急事態の時にはありがたいなぁって思った。私も、今度はどーんと構えるぞ!ドーンと!!


そんな決意をしている私の頭を、キラさんがそっと撫でた。



「・・俺が至らなくて、悪い」

「え?!なんで!キラさんは、しっかり仕事したじゃないですか?」


「・・余裕がなかった」

「え、キラさんでも、そうなるんですか・・・?」


なんか、いつも涼しい顔をして何でもこなしてるから、余裕がないキラさんを想像できない。・・でも、そっか、いきなりの昇進で、知らない仕事を引き受けて、きっと大変だったろうな。そう思うと、今も涼しげな顔をしているキラさんが急に人間くさく感じて、ちょっと嬉しくなった。



「・・・ふふ、余裕のないキラさん・・、可愛いですよ」



ヘラっと笑うと、キラさんは無表情だけど小さく驚いた顔をして・・、少し拗ねたような顔になる。


「・・・次回は、精進する。ナルが落ち着いていられるように」


書庫の棚に、書類を入れてキラさんを見上げる。



「・・も〜!また私が基準ですか?そういうのでなく・・・」



続きの言葉を言おうとしたら、キラさんにキスされて言えなくなってしまった。

急にされると、お、驚くんですが!!あと、職場では遠慮して欲しい・・。赤い顔でキラさんを睨むと、水色の瞳はキラキラしている。



「ナルが側にいるの、いいな・・」

「・・・・・・お仕事中です」



まぁ、今日・・ひと段落ついたみたいだし?今は、二人だし??ちょっと自分に言い訳しながら、そっと近付いてくるキラさんの顔を赤い顔で見つめてから、静かに目を瞑った。




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