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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、団長補佐をする。


ただいま、10時半・・・。

しかし、キラさんの本日の仕事は終わってしまったらしい・・。


フランさんと私、ライ君で確認したけど・・終わってる・・。思わず顔を見合わせてしまった・・。


「ど、どうします・・?」

「うーん・・、想定外の速さでしたねぇ・・」


フランさんが感心するけど、どうしたものかと思っていると・・、キラさんが団長さんが書いておいたリストをザッと読む。


「詰所の老朽化も気になっているようだから、見回りをしてくる。その後、訓練場のノーツ達の様子を見てくる」

「は、はい!あ、手伝いは・・」


私が椅子から立ち上がろうとすると、手で制止される。


「いや、大丈夫だ。各自、任された仕事をしておいてくれ。何かあれば・・」


そういって、キラさんが私の手の甲をそっと触るので、不思議に思って見ていると・・、指先から淡い光が出て、手の甲に模様が浮かび上がる。



「ここに念じるようにすれば、聞こえる」

「いや、どんだけスーパー団長補佐!!!」



思わず突っ込んだ。

どうも最近、ニルギさんと遠征前に開発したらしい。この親子・・本当恐ろしいわ・・。


キラさんは、満足そうに頷くと執務室を出て、詰所の確認に行ってしまった・・。私、フランさん、ライ君は、目を合わせると、一斉に執務室の中央に集まる。


「どどど、どうします??!!まさかの団長さんの仕事が、わずか2時間で終わるって、僕のあのヨイショは何だったんですか?!!ウルキラさんのポテンシャル、底なしですか?!!」


「お、落ち着いて、ライ君!!まさかの想定外で私も動揺してる!」


「これがあと、約二週間・・・ですからね・・。騎士団の寮の壁のペンキ塗りまでやってしまいかねませんね」


三人で、円陣を組むように固まって悩む・・。

仕事はもちろん明日の分もあるけど、これでは二週間分どころか一ヶ月先まで終わってしまうのでは・・?いや、かえって好都合なのでは・・?



「・・この際、溜まった仕事を終わらせてしまって・・、団長さんに、その後の事は全部丸投げでいいのでは?!」


私がそう言うと、二人もハッとした顔になる。

そう・・「早く書類出してください!」とか、「書類のサイン忘れてます!!」とか、ないのなら・・好都合ではないか?


フランさんは、とってもいい笑顔で・・頷くと、


「あとで溜まった書類、全部かき集めておきます!!」


「僕もお手伝いします!!」

「よーし、じゃあ、ひとまずキラさんにお願いしましょう!!」


私達の心は一つになった。

まぁ、きっと全部終わらないだろうし・・とも、思っていたし・・。



キラさんは、宣言通り詰所の老朽化した所を確認して、気になる所をチェックしてリストを作ってくれた。なおかつ、訓練場で、ノーツさん達の様子を見に行って指導までして、お昼に戻ってきた。


か、完璧すぎない???


流石に団長補佐なので、執務室をずっと留守にしておくわけにはいかない。お昼は、私が執務室へ持ってきて一緒に食べた。



「キラさん、団長補佐・・まだ半日ですけど、どうですか?」

「・・意外とナルといられない」


「・・・午後はずっと一緒の予定です。安心して下さい・・」



団長補佐になってもブレないな。そんな所は、安心するけど・・。あと、団長さん不在の時は私達、寮住まいですし、常に一緒ですからね・・?

キラさんは訓練場を見ると、



「・・・団長が、随分と周囲を気にかけていたのは・・、分かった」



お、珍しい!いつも団長さんには厳しめな感じなのに・・。



「俺は、ナル以外あまり関心がないから」


「ウルキラ団長補佐、色々と興味をこれから持ちましょうね・・」



遠い目で、真面目な顔で話すキラさんを見つめた。

・・ああ、ニルギさんくらい置いていって欲しかったかも・・。あと二週間・・ちょっと目が遠くなる。




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