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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、お祝いしてる?


ラフさんのお祝いは、和やかな感じでいい雰囲気だ。


私は、酒樽の番人の如く座っているキラさんの隣で、なんとか奪い取るように持ってきたご馳走をキラさんと食べつつ、ジュースを飲んでいる。もちろんノンアルコールです。


団長さんは、お酒をストップさせるためにルーナさんを呼んで、落ち着いて食事して貰ってる。たまには幸せ気分を満喫しておいて欲しい。来週は遠征だし・・。


「キラさんは、アルコール強そうですね・・」

「・・・そうか?」

「だって、お城でも私の分まで飲んでも大丈夫だったじゃないですか!」

「・・あれは、軽いから」


・・え、じゃあ度数が軽いのを飲んで、私は酔っ払っていたのか。まぁ、確かに今もちょっと頬が熱い。キラさんが私を見つめると、


「・・・可愛い」


「き、キラさん??!キラさんもやっぱり酔ってるんじゃないですか??」


更に顔が赤くなるような事を、人前で言わないでくれ・・。

さっと周囲を見ると、みんな思いおもいに飲んでいるので、ちょっとホッとした。


大分いい感じで酔っ払っているウルクさんが、ニコニコしながらやってきて、「仲いっすね〜!」って言いつつ、お酒のお代わりに来ているけれど・・大丈夫か?


「水も飲んで下さいね〜」


と、言うと「は〜い」って気の抜けた返事をした途端、ライ君に叩かれて水とお酒のグラスを交換していた。なんと頼りになる弟であろう・・。周りの騎士さん達が、ライ君の頭を撫でまくっていた。・・可愛がられてるなぁ。



頭がやっぱりふわふわしてキラさんの肩に思わず寄りかかってしまうと、キラさんが一瞬驚いて私を見る。


「・・すみません、やっぱりちょっと酔ってる、かも・・です」


「・・構わない」


そう言いつつ、キラさんの目元がちょっと赤いから、キラさんも酔ってると思う。ちょっとお酒独特の匂いがして、いつもと匂いが違うなぁって思って胸元をちょっと嗅いでみた。


「・・・ナ、ナル」

「・・あ、すみません・・、いつもと匂いが違うなぁって思って」


慌てて頭を起こして、キラさんを見ると顔、赤くない・・?

そっと私の手を握ると、



「・・外の風に当たってきた方がいい」

「あ、結構、顔赤いですか?」



キラさんが頷くので、それなら・・と、外へ行く途中、フランさんに一声かけておく。じゃないと、騎士さん達ストッパーがいなくなると、際限なく飲んじゃいそうだし・・。



食堂の外へ出ると、少し空気がひんやりするけど・・ちょうどいい。



「はー!やっぱり、ちょっと酔ってたのかも・・、あの空気を吸ってるだけで、酔っちゃいそうですよね?」

「・・・ああ」



食堂の横にあるベンチに二人で座ろうとすると、ひょいっとキラさんが私を持ち上げて移動させ・・、私を後ろから抱きかかえて座る。


「き、キラさん??!なんで、こうなった??」


キラさんは、私の肩に頭を置いて、


「ナルが可愛いから」

「・・・・え、あ、はあ・・???」


どの辺に可愛い・・あった?よく分からない・・。

キラさんに詳しい解説を求めたところで、十分に返ってこないのは織り込み済みだしな・・。


ちょっと振り返って、キラさんの綺麗な銀髪の髪をそっと撫でると、後ろから回された腕にちょっと力がこもる。



「・・・このまま帰りたい」


「ウルキラ団長補佐、今日はラフさんのお祝いなので無理ですよ」



ちょっと恨めしそうな顔をするキラさんに小さく笑う。

表情が出てきたなぁ、いい傾向だ。あとは、他の人にもしてくれたら・・きっと、もうちょっとコミニュケーション取れると思うんだけど・・、これがキラさんの持ち味といえば、持ち味だしな。


そんなことを考えていたら、頬にそっとキスされた。


「キラさん〜〜!」

「今は、二人だ」


・・・とんだ策士だ。それが狙いか!



お互い、ちょっと酔いを冷ましてから食堂へ戻ると、キラさんが離れた瞬間に酒樽へ飛んで行った騎士さん達にクリスさんが立ちはだかったらしい。楽しそうに酒樽の前でお酒を飲むクリスさんを前に、酔い潰されていた・・。


ノーツさんが眉間にシワを思いっきり寄せて、私に謝ってきた。

が、頑張れ!ノーツさん!!




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