黙して語らない騎士、お祝いしてるけど・・。
詰所前に走って行くと、ラフさんとリルケさんがちょうどこちらへ手を繋いで歩いてきた。
「こんばんは!今日は来て頂いて、ありがとうございます!」
「こちらこそ、色々ありがとうな・・」
ラフさんがちょっと照れくさそうに話すと、リルケさんと目が合って笑い合ってしまう。
「結婚、この度はおめでとうございます!ささやかではありますが、食堂で騎士達が待っていますので、ささ・・どうぞ!」
「・・・ああ」
「ラフさん、うるさい騎士の面倒はキラさんにお願いしてありますから」
「・・・それは安心だ」
思わず・・といった様子でラフさんが笑っていた。
まぁ、それなら少しは安心でしょ?
リルケさんが小さく笑いながら私を見て、
「ナルさんと、まさかこうして飲み会とかしちゃうとは思わなかったわ〜」
「うふふ、不思議ですよね!」
そう言いつつ、食堂へ着いたので二人に先に入って貰うと、野太い声が一斉に「おめでとうございます!!」って言うものだから、ビクッとしてしまった・・。
びっくりした顔のリルケさんの肩を抱きつつ、ラフさんがお礼を言うと、団長さんがお祝いの言葉を言って、早速乾杯が始まる。
騎士さん達は、順番にお祝いを言いつつ、よく食べ、よく飲んでるので、ご馳走をバイキング形式で取りに来て貰うスタイルにしたが、すぐ無くなる・・。食堂の人が、「早い!!」「よく噛め!!」って言いつつ、ご馳走を並べる姿に思わず笑ってしまった・・。
酒樽から、お酒を捻って出すのはキラさんだ。
「・・・飲み過ぎるなよ」
そういって渡されると、騎士さんがちょっと引き締まった顔をするので、大変良い。隣で団長さんが手酌でパッカパカ飲んでるけど、後でルーナさんに行ってもらおう。
と、クリスさんと目が合って、挨拶する。
「こんばんは、クリスさん!副団長おめでとうございます!どうですか、お仕事は?」
「・・まだ、未熟な面が多々ありますが、なんとかウルキラ団長補佐のようにしっかりと仕事をしたいと思っています」
お、おお・・真面目なコメント・・。と、クリスさんの隣にノーツさんがやって来た。
「ノーツさんもこんばんは、この度は副団長・・おめでとうございます」
「ありがとうございます・・、精一杯精進いたします」
「どっちも真面目ですね・・。キラさんが、二人とも頼りになるって話してましたよ。頑張って下さいね」
そう言うと、二人とも嬉しそうに笑っていた。
・・すみませんね、キラさん言葉が少ないから、私にもボソッと言ってたんですけど・・。そういうのあんまり言わない人だから、多分本音だと思います。
「・・クリスは、ちょっと張り切り過ぎるから・・」
ノーツさんが、クリスさんをちらっと見ると、ニコニコ笑いつつ・・、
「何を言うんだ・・、大分優しいと思うが?」
後ろで会話に聞き耳を立てていた、騎士さん達が青ざめてるよ・・・?ノーツさんは、小さくため息をついて、クリスさんを指差し・・、
「・・・こんな感じで張り切りすぎているので、時々諌めにウルキラ団長補佐を訓練場に送って頂けると助かります」
「・・・・うん、絶対送るわ」
そう言うと、ノーツさんと固い握手をした。
天使のノーツさん!!騎士達をよろしくお願いいたします!
一見、天使の顔をしたクリスさんは不思議そうな顔をしている・・その後ろで騎士さん達が、胸を撫で下ろしていた。ノーツさんに感謝しなよ・・。
大分、最初の勢いが落ち着いて来て、私も喉が乾いてジュースを飲むとふわふわする。あれ?こっちジュースだよね?団長さんを見ると、
「あれ?ナルさんも飲めるんだ〜。じゃあ、こっちどうぞ〜」
そう言って、ジュースをまた貰ったけど・・
キラさんが素早く移動してきた。・・・あれ?これってアルコールだった???