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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、団長補佐に。


二週間後に、王都との合同遠征が決定した。


今回は、団長さんが王都の騎士団と協力体制を作っていくための遠征なので、ラフさんも一緒だ。そんな訳で王都から褒美のお酒も貰ったし、早めに結婚のお祝いをしておこう!という計画になった。


来週のお祝い会のための準備の書類を団長に渡す。


「団長さん〜、後で貰ったお酒の確認だけお願いしますね〜」

「は〜い!飲んでも良い?」

「勤務外でお願いします・・」


遠征の準備のために、仕事が膨大な量になって・・遠い目をしているので、そういう事にしておいてあげよう。流石に不憫だったので、ただ遠征で一緒に仕事するオルク団長さんすっごい良い人だったよ!って伝えたら、知っていたらしい。胸を撫で下ろしていた・・。


「オルクが団長になって、本当に良かったよ・・」

「知ってたんですね」

「昔から、王都の騎士団と仕事する時は、オルクが色々手伝ってくれたが・・、あれは仕事もできるし、人格も問題なしだったからな・・。前の団長によくついてたと思う・・」


しみじみと団長さんが言うから・・、大変だったんだろうな。そしてオルク団長さん、すでに評価が高い!すごいな。



キラさんは団長補佐として、遠征中は執務室でお仕事とするそうだけど・・、書類仕事をするキラさんを想像できない!!出来るのか・・・・?若干、そっちも心配だ。


「副団長のポストはもう決まったんですか?」


団長さんにお茶を出しながら聞いてみると、頷いた。



「今日、訓練場で騎士達には発表するけど、二人だ。クリスと、ノーツだよ」



団長さんの言葉に、二人の顔を思い浮かべる。

えーと、クリスさんは薄茶の髪でタレ目な感じの人で、ノーツさんは私と同じ黒髪でキリッとした目つきの人だったな。確か、キラさんの一つ下の後輩だったよね・・。


「二人体制なんですね〜」

「ウルキラなら、一人だけど・・二人なら、ま、遠征でどちらかが動けるしね」

「確かに・・」


遠征や、訓練・・新人騎士の育成・・・と、息つく暇もないなぁ・・。

騎士さん達・・ちょっと働きすぎではないだろうか。労基だったら訴えられちゃうと思うけど・・。


「とにかく!来週のお祝いの準備、ナルさん悪いけどよろしくね!!美味しいおつまみ食べたい!!飲みたい!!」


「・・・甘いお菓子なら、いつでも出せますけど?」


そう言うと、毛虫を見るような顔をされた。

本当に甘いもの・・嫌いなんですね。



お昼になって、籠を持って訓練場へ行くと、キラさんがクリスさんとノーツさんと話をしていた。お、早速、副団長の仕事の引き継ぎかな?そう思っていると、ウルクさんが手を振りつつ、こちらへ来る。


「ウルクさん、お疲れ様です!副団長さん、決まったんですね」

「そーなんすよ!クリスさんとノーツさん、実力どっちも凄いんっすよ!」


ニコニコ笑って、二人を見る。そういえばキャンプ中に出た大蜘蛛を倒す時、二人ともいたなって・・思い出した。


「どっちも優しい感じ?」


「いえ、鬼なのはクリスさんで、天使はノーツさんですね」

「・・・あれ?反対じゃないの?」


つい顔のイメージで、言ってしまったけど・・、ウルクさんの横に来た騎士さん達も頷いている。


「多分、ウルキラ団長補佐よりもキツイっす」

「え??そんなに??!!」


私が驚いていると、キラさんとクリスさん、ノーツさんがこちらへ向かって来るのが見えた。


「あ、キラさん・・」


そう言った途端、騎士さん達は蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていった。あ、あれ??そんなに怖い感じ??クリスさんと、ノーツさんが小さく会釈するので、挨拶する。


「クリスさんとノーツさん、副団長さん・・おめでとうございます!頑張って下さいね!」


クリスさんはにっこり笑って「はい!」って可愛く返事をして、ノーツさんは「・・・はい」と静かに返事を返してくれたけど。

どっちもイメージと反対・・・って、想像ができない。


キラさんを見ると、ニコニコしてるけど・・、



そういえば、この人が一番想像と違ったわ・・と、思い出した。




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