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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、大捕物!


今日は人身売買をしているカーンの所から、女が一人送られてくる日だ。



今までで8人・・。

ここの国は、人身売買を反対している国だが・・、女は売れるからな。まとめて明日、隣国のガダまで売りに行けばいい金になる・・。


玄関のベルが鳴ると、黒髪の女が入ってきた。

長い髪の少女のように見えるが、成人しているらしい・・。まぁ、幼く見える女も売れるからな・・、にっこりと微笑んで玄関へ招き入れると、少し緊張しているのか顔が固いが静かに入ってくる。


商品を受け取って、お茶を勧める。


黒い髪の少女がお茶を飲むのを確認して、しばらく話すと・・少しずつ動けなくなってきたのかグッタリしてきた。さ、すぐに港まで運ぶか・・、そう思って動けないかを確認するために体を揺らすと目を瞑って眠っているようだった。


薬が効いてきたな・・。

すぐに担ぐと、裏手で待たせていた馬車に乗せて、自分も乗り込む。



宝石店では、物凄く綺麗な女がこの女と一緒に仕事をしたいと来たらしい・・、そっちは店の看板として偽物の宝石を売るためにカモにするらしい。まぁ、馬鹿な男を捕まえて売り捌いて欲しい。


できれば、その女を今度は見に行こう・・そう思っていると、港にすぐ着いた。


ここはすぐに港に着くから、すぐに売りに行けていい。

女を担いで、建物の地下へと歩いていくと扉があり、そこへ入っていくと見張りが2人立ってる。



「おう、また連れて来たのか」

「ああ、これでひとまず終わりだ。そろそろ犬共が気が付き始めた」



前回、捕まえておいた女達は死なない程度にしてある。

逃げる気も失せているのか檻の中でグッタリと横たわっている。


「ほら、お仲間だぞ」


黒髪の女を、檻の中へ入れようとした瞬間・・首にヒヤリ・・とした感触がする。



「・・なるほど、ここか」



低い声・・?!そう思った途端、強い衝撃で目眩が起きて・・意識が飛んだ。



***








宝石店では、今日も割と平和だった・・。


コリンさんと宝石を綺麗に拭いて、ショーケースをピカピカに磨いて・・

うーん、今日も何もないかなぁ・・。


今日は、朝からカーンさんがいて、宝石の説明をお客さんにしていた。

私はお茶の用意をしようとすると、警備隊と騎士さん達が、こちらへ歩いてくるのが見えた。


パトロールかな・・?


そう思っていたら、お店に騎士さんが入って来てカーンさんを見ると、


「人身売買の罪で、カーン!貴様を逮捕する!!」


そういうので、私とコリンさんはびっくりして目を丸くする!

カーンさんは慌てて、立ち上がると・・


「な、何を証拠に・・!!」

「先ほど、捕まえられていた女性を確保した!!証言も女性達、及び手伝っていた一派からすでに聞いた!!」


カーンさんは、ぎりっと奥歯を噛み締めると・・私達を見る。

コリンさんが、ビクッと体が跳ねて私は咄嗟に、コリンさんを庇うように前に出ると、カーンさんが私を捕まえて逃げようとする。


コリンさんが、私を見て叫ぶ。



「キラさん!!!」



カーンさんは、私の手首を掴んだ瞬間、


バチィイイン!!!


と、雷撃を食らったかのように、真っ黒に焼かれて倒れた。

それを見た騎士さんが一斉に、消し炭のようになったカーンさんを捕まえる。


「お疲れ様でした!ナルさん」


騎士さんの一人がそういうと、キラさんの顔をした私はにっこり笑う。


「お疲れ様です!」


すると、宝石店の入り口から私がやってくる。


「お疲れ様です、キラさん」

「・・・ああ」


そういうと、私になっているキラさんと、手を合わせると本来の姿に戻る。



ナルだったキラさん、キラさんだった私に。



コリンさんが目を丸くして、私達を見る。


「え、ええええ????どういう事??」


私とキラさんは、目を合わせてちょっと笑った。

とりあえず、敵を騙すのは味方から作戦です・・とだけ言っておこう。




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