黙して語らない騎士、潜入捜査。
制服は、黒のワンピースに首元に白いリボンを結ぶ大変シンプルだが、なかなか品の良いデザインだったりする。
キラさん、映えるわ〜〜〜〜!!!
シンプルなワンピースにキラさんの銀髪がすっごく合う!!
髪はショートのままだけど・・綺麗すぎない?うっとりするわ・・。
コリンさんの所へいくと、やっぱりキラさんを見てちょっと見惚れていた。わかる、わかるー!!
早速、仕事の説明をしてくれて・・
お客さんの対応は、コリンさんとカーンさんがするので、宝石を磨いたり、ショーケースを拭きつつ、必要があればお客さんに、お茶を出して欲しいと言われた。
「お茶を淹れるのは、結構得意です!」
「そうなの?良かったわ・・、なかなか店員さんが定着しないから・・二人も来てくれて嬉しいな」
「え?そうなんですか?こんなに素敵なお店なのに・・」
そう言うと、コリンさんがお茶の場所を教えてくれるそうなので一緒についていく。キラさんは、カーンさんに宝石の説明を受けていた。頑張れ〜。
給湯室はこじんまりしていたが、普通な感じだ。
ポットと茶葉、カップの場所を教えてくれつつ、コリンさんは小声で話す。
「・・・何かね二・三週間くらいはいるんだけど、急に来なくなっちゃうの・・」
「え、なんか怖いですね・・。コリンさんは、ここ長いんですか?」
「そうね・・、私は2ヶ月くらいいるけど、その間5人くらい来たけど・・、すぐ辞めちゃうのよね」
「ええ〜〜、コリンさんもカーンさんも優しい感じなのに・・、勿体無いですね」
私がそう言うと、コリンさんはようやくホッとしたように笑う。
「そうだったら良いんだけど・・、ちょっとすぐ辞めちゃうから、私も失礼な事しちゃったのかなって、不安だったのよね・・。ナルさんやキラさん、長く一緒に勤めてね!」
「もちろんです!!」
そんな風に話しつつ、失踪した人の数が大体8人・・と団長さんに聞いていたので、数は少ないものの・・何となくこの場所、クロじゃない?って思っちゃう。あとでキラさんに言おう。
そうして、カーンさんに宝石の説明を私もざっとしてもらうと、お客さんが来たので早速お茶を出しておいた。ふっふっふ、執務室で磨いた私のお茶の腕は凄いぜ。
午前中は、ちらほらやって来たお客さんの相手をしつつ、お昼休憩に交代で入る。
小さな小部屋で、今日は食堂から持たされたお弁当を開ける。明日は自分の家で作って持っていかないとだなぁ・・。
もぐもぐサンドイッチを食べつつ、部屋を見渡す。
小さな窓が一つあって、あとは小さな四角いテーブルと椅子が二つ。
うーん・・特段怪しい感じはしないな。
キラさんが後でお昼を食べるだろうし・・その時にきっと調べるだろう。そう思って、サンドイッチを食べ切ると、すぐにキラさんに声をかけに行く。
キラさんは、すっと姿勢を真っ直ぐにしてショーケースの宝石を磨いている。なんだかもうその姿だけでも綺麗で、道ゆく人がキラさんを二度見している・・。
・・これが実は男性って・・。
ちょっと遠い目で、キラさんを見ると静かに微笑む。
うわぁーーー!!美人!!うわーーー!!破壊力凄い!!ドキッとするけれど、あんまり開きたくない扉なので、そっと閉めた。
「キラさんも、お昼休憩して下さい」
「・・・ああ」
コリンさんが、キラさんを見て・・
「ナルさんに、小部屋の場所教えてもらって下さい。ここは大丈夫ですよ」
「・・ありがとうございます」
おお、キラさん・・ちゃんと言えてる。
いや、お礼くらい言うか・・と思い直して、キラさんに場所を教えてお弁当を渡すついでに、給湯室でコリンさんが話していた事を伝えると、静かに頷いた。
「・・ナル、気をつけて」
「キラさんの守護魔法で私の手首だけでなく、肘まで埋め尽くす勢いなんですから・・・大丈夫ですよ」
ちょっと目が遠くなる。
もちろん手首までで、死守してるよ?
キラさんは、ちょっと不服そうな顔をして・・私を見ると、さっとキスしてくる。
「き、キラさん!!」
「・・・小さいと、キスしやすいな」
どこまでもこの人はマイペースだな・・。
美人さんにキスされて、私は目が白黒しているというのに・・。違う扉が、ちょっと開きかけて、私は頭の中で思い切り閉めて、鍵をかけた。