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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、お化けに感謝?

ちょっとだけホラー要素?



キラさんに、帰り道に寮の倉庫に行ったら変な声が聞こえた事を話すと、ちょっと考え込んで・・


「ニルギに聞いてみよう」


そういうので、私も頷いた。

その辺・・ニルギさん、なんとかしてくれそうだしね。お菓子で釣ろう。


夜は、なんとなく怖くなってしまって、物音にビクビクしてしまった・・。寮じゃないから大丈夫・・と思うけど・・。ベッドに座っているキラさんに、そっとくっついてしまう。



「・・・ナル、怖い・・?」

「ちょ、ちょっと・・今日は・・その」



そういうと、キラさんはものすごく嬉しそうに笑って、ぎゅっと抱きしめてきた。うう、いつもは照れ臭いけど、今日ばっかりは安心する。そっと私も抱きつくと、キラさんは大変気を良くしたのか、嬉しそうに私の頭に顔をすり寄せてはニコニコだ。


「・・・お化け、いいな」

「・・いえ、ちっとも良くないです・・」


だって物音がすると、ビクッとしちゃうし・・。

あ〜〜、でもなぁ・・少年騎士君は、これが毎日続いたら怖いよなぁ。


ちらっとキラさんを見ると、キラさんはちょっと首をかたむけて水色の瞳をキラキラさせながら私を見る。・・・うん、最強でなおかつ、私を大好きなキラさんがいるから、なんだか安心だ。


キラさんは、チュッと音を立ててキスしてまたニコニコ笑う。



「・・・安心?」

「・・・・・し、心臓がびっくりしてます」



甘い・・!!いきなり甘い!けど、ちょっと安心しちゃったのを言ったら、多分大変な事になるので、きっと顔は赤いけど目を逸らして誤魔化した。が、それを見逃さないのが優秀たる騎士・・キラさんなのだろう。


結局、キスの嵐で私は真っ赤になるのだった。




翌朝、やっぱりお化けが出る報告に・・執務室が立ち上がる事になった。


団長さんとフランさん、ライ君と私で、寮へ行く。

私は、寮を見るだけでドキドキするが、昨日の事もあって・・ちょっと冷静かもしれない。


とりあえず寮内を皆で手分けして歩いてみる・・。

団長さんは、男の子の部屋へも入ってみたそうだけど・・、特に変わった所は見当たらなかったらしい。


「あとは、寮の掃除道具の倉庫かあ・・」

「団長さん、先陣を切って下さい」


「あ、何?なんで、そんな前面に押そうとするの??」

「だって、ここで一番攻撃力が強いの団長さんですし」


私は団長さんの背中をグイグイ押していく。フランさんとライ君は笑いを堪えているけど、真剣に押して欲しい。


団長さんは、倉庫の扉を開けて中へ入るとシンと静かな倉庫の周囲を見回す。


「・・ナルさん何もいないよ?」

「・・・すっごく嬉しそうに言わないで下さい。本当に声が聞こえて・・」


そう言った瞬間・・



ウォ・・オォ・・・オォオォオオオオ・・・



低い声が聞こえて、ビクッと体が跳ねた瞬間、走って倉庫の扉を出て・・



扉を閉めた。

中から、「あ!!!ちょ!!ナルさん?!酷くない??これ、酷くない?!!」っていうから、私はドアに向かって、


「団長さん頑張れ!!!倒して下さい!!」


って叫んだ。

フランさんがお腹を抱えて笑ってるけど、そんな場合じゃないですーー!!!ライ君は、フランさんと私を交互に見て、どうしようかと慌てている。うん、どうしよっか!?


やがて、ガチャ・・とドアが開いて、団長さんがぐったりした顔で私を見る。


「・・・ナルさん、見捨てるとか酷い」

「お化け、いました??」


ちょいちょいと手招きされて、フランさん達と中へ入ると、団長さんが指差した所を見ると、配管のダクトの一部が少し穴が開いていて、低い音がする。



「こちらから音がしてました・・」



皆、お互いに顔を見合わせて・・「なーんだ!!」「もう、ナルさんったら!」「首が・・」と、言い合う。


「・・・・首?」


私が、誰か何かを言ったのかを思って振り返ると、一同固まった。

そろっと後ろを皆で見た瞬間、逆さになって天井から髪の長い人が目玉だけこちらに向けて青白い顔で見ている。



寮の倉庫で悲鳴が上がり、

その後、真っ先に逃げた団長さんを皆で責めた。



次の日、ニルギさんが「イタズラ好きな、悪霊だろ」と言って、魔法をかけるとピタッとお化け騒ぎは終わった・・。こういう時、絶対ニルギさんを頼ろうと誓った。



しばらく私はキラさんにひっつき虫となり、キラさんは大変機嫌が良かった・・。




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