黙して語らない騎士、鍛える!
王都から帰ってきたぞ〜〜!!
ニルギさんとあれから、すぐに分かれて・・。
荷物を片付けると、キラさんは出勤だそうです。マジですか、私は有給を貰ったんですが・・。
あ、でも昨日の一件もあるからなぁ。
ルーンさんから、ちゃっかりお土産まで貰っちゃたし。
「・・キラさん、執務室に私も顔を出したいから、一緒に行きましょ」
そういった時のキラさんの笑顔、プライスレス・・・!
低い声がどっかから聞こえて気がした。
一緒に手を繋いで出勤したが、キラさんの周りから花が咲き乱れているようだ・・。可愛いなぁ。
出勤中、他の騎士さんが警備隊をパトロールしていて、私達は手を振ると、「お帰りなさい!」と元気に手を振って挨拶してくれた。なんか、いいな・・こういうの。
「そういえば、新人騎士の募集どうなりましたかね・・、いい人入ってきてくれるといいですね」
キラさんが静かに頷く。
新人騎士さんの事も団長さんに確認しておかないとな、提出書類はフランさんとライ君がいるから安心だけど、ラフさんの結婚式ももうすぐだし・・、と、あれやこれやと考えていると、あっという間に騎士団に着いた。
今日は報告もあるので、キラさんと一緒に執務室へ行く。
「ただいま戻りました〜!!」
キラさんと入ると、みんな笑って「おかえり〜」と出迎えてくれた。
あ、ニルギさんもいた!・・やっぱり仕事熱心だなって思ったら・・写真持ってない?なんか・・・写真持ってない???
団長さんが、すっごくニヤニヤしてない??
「あーーー!!ニルギさん、いつの間にそんな写真撮ったんですか!?」
団長さんが、面白そうに隊服姿の私の写真を見せてきた。
キラさんが、光の速さで回収してくれたけど。
「面白い写真も撮れたんだ、見せてあげなくてはな?」
「・・・ニルギさん、そろそろ激辛シリーズを食べたいようですね・・」
じとっと見ると、ニコニコ笑うばかりである。まったくもう・・。
団長さんは、私とキラさんを見て、
「なんか、また一仕事してきたみたいだね・・。お疲れさん。とりあえず誰も怪我がなくて良かったよ」
「あ、はい・・、有難うございます」
横でキラさんが静かに頷くけど・・、昨日のはヒヤッとした。あんなのしょっちゅうあったらたまったもんじゃないよね・・。
「あ!そうだ、新人騎士の募集!試験はどうなりました?」
「あ〜それはお陰様で、ミラファ殿にも協力して貰って事なきを得ました。今、訓練場で早速演習してるよ。ウルキラ、どうせそっちへ行くだろ?ナルさんも見学していけば?」
「いいんですか?じゃあ、せっかくだし・・」
キラさんは、団長さんを静かに見る。
「・・何人だ」
「今回は15人だ。比較的多いな。15から19歳までいる。あまり厳しくするなよ」
厳しく・・・、思わずキラさんを見てしまう。
本当にキラさんの訓練はきつそうなんで、ほどほどにしてやって欲しい。キラさんが私の視線に気付いて不思議そうに見る。
「・・キラさん、ほどほどですよ?」
「いつもそうだが・・・」
団長さんと、私は同時に同じ顔をしたと思う。・・うん、そっか。
お土産をとりあえず渡して、ひとまず家に戻る前にキラさんと訓練場へ行くと、外からちょっと高い声が聞こえる。声がいつも野太いから・・掛け声が高いっていうだけで新鮮だ。
中庭に入っていくと、騎士さん達が「お帰りなさい!」と声をかけてくれた。うん、やっぱり嬉しいな。
演習場で訓練する新人騎士さん達をざっと見回したキラさんは、私を見て、
「行ってくる」
そういうので、「行ってらっしゃい」と笑っていうと、小さく笑ってラフさんが訓練している騎士さん達の元へ歩いていく。ウンウン、今日も格好いいな・・。そう思っていると、私の後ろで見ていた騎士さん達が・・
「始まるぞ・・地獄の特訓コースが・・」
大変不穏と不安な一言を呟き、私は思わず新人騎士さん達の無事を祈った。