表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人。
16/566

黙して語らない騎士は心配性。


団長のラトルさんの計らい(?)で、結婚問題は一時停止となったが、就職先は決定した。


キラさんの勤めている騎士団の宿舎のお掃除係だ。

寮完備、福利厚生、バッチリ!ありがたい!!ハラショー!!

早速団長さんは寮長さんに取り次いでくれて、説明を聞きに行く。キラさんが、じっと見ていたが休んで頂いた。


寮長さんはフランさんと言って、30代くらいの茶色のくせっ毛な髪に、茶色のタレ目‥という可愛らしい感じの男性だった。


フランさんは、私が異界人だと団長さんに聞くと、外へは絶対に行かないよう・・、必要な物があれば買ってくるので、何かあれば団長さんか、キラさん、それか自分に声をかけるようにと話してくれた。


お掃除係の制服と、普段着で着られそうな服を、倉庫からたくさん持ってきてくれて、早速着替えるように・・と、言われたので、別室で着替える。


膝下まである紺色のワンピースに、白いエプロンという、メイドさんルック。

20歳を過ぎて着るなんて思わなかったわ〜〜・・・。



「フランさん、着替えてきました」

「ああ、似合いますね〜。洗濯場に持っていけば、毎日洗ってもらえますからね〜、場所を教えましょう」

「はい」


なんだかのんびりと話すので、自然とほのぼのする・・。


「その制服は少し魔力を入れ込んであるので、ぱっと見は異界人だとは分かりにくいんです〜。ただ、力がある人だとすぐわかってしまうので、こちらも配慮しますが、人前にはできる限り出ないようにして下さい。」

「はい」


人権保障を声だかに要求したい・・。


寮の中を案内してもらい、建物の位置を覚えていく。

騎士団の詰所の隣には馬房や、馬車を止める場所があり、その奥にキラさん達の宿舎があった。すぐ隣に、これから住む寮があったので安心した・・。何かあったら、声かけに行こう。


そう思ったのに、寮でなく宿舎に通される。

あれ?なんで??

茶色のレンガでできた大きな宿舎は、内装は白いペンキが塗られた壁で、所々に花が飾られていた。木の床板がツヤツヤと光っていて、たくさんある窓から光が差し込んでいて、落ち着いた雰囲気だった。


「ナルさんの部屋は、2階の一番右端です」

「ここは、他にも誰か住んでいるんですか?」


ドアがいくつかあったので聞いてみる。


「ここは、2階全部がウルキラさんの部屋でして、あと書庫と客間とリネン室、風呂、トイレがありますね〜」

「・・・え???」

「上の階は団長さんがいるので、安心ですよ〜」

「・・・・ええ???」


私は宿舎をざっと見たけど・・、ここ、相当広いよね???

2階、丸ごと自分のスペース???



「ひ、広いですね・・・・」


「これでも狭い方なんですが、お二人共忙しくて帰ってこられないし、別にいい・・って言うんですよね〜。あんなに武勲を立ててるのに・・欲がないんですよ。その内、宿舎も建て替えはする予定です〜」


「はぁああ・・・・」



スケールでっか!!

私は驚きつつ、フランさんに部屋の前まで案内してもらう。

服を抱えていたので、ドアを開けてもらい、中へ入ると、薄い淡いグリーンの壁紙に、木が組み込んである床。棚、ベッド、テーブルと椅子が置いてあった。


「わあ・・・可愛い」

「この部屋だけ、ちょっと可愛らしいんですけど、ちょうど良かったですね〜」

「はい!嬉しいです!」

「服は、そこの棚にしまっておいて下さい。靴もあった方がいいので、あとで持ってきましょう。仕事は明日から教えますから、今日はひとまずゆっくり休んで下さい。食事は後で持って行きますね。では失礼します〜」

「あ、ありがとうございます!」


のんびりした口調だけど、忙しいのだろう・・。説明をするとさっさと行ってしまった・・。



「明日からお仕事かぁ・・」



服を棚にしまって、ベッドに倒れこむと、あっという間に睡魔がやってきて、私はぐっすり眠ってしまった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ