表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
159/566

黙して語らない騎士、王都へ。3


ニルギさんは、魔術師さんとお話しするので私とキラさんは、ひとまずルーンさんに一度挨拶へ向かうけど、待って・・!私、お作法とか全く知らないんだが??!


キラさんの服を、そっと引っ張って小声で、


「・・・あの、今更なんですが、お作法とか・・何にも知らないんですが」

「・・・ああ」

「何か、やっちゃいけない事あります??」

「・・・抜刀?」


それは、キラさんだけだと思うーー。

ルピスさんを見ると、小さく笑って・・


「大丈夫、普通にしていれば・・」


あかん!!この兄弟、マイペースだった!!ニルギさんの所へ回れ右したい。そう思ったら、キラさんがさっと手を繋いできた。驚きの察知能力!!!


「手を組んでいればいい」

「あ、そうなんですか?」


キラさんが、腕をそっと出してくれたので手を絡めてみるけど、どうするの??キラさんは、正しい位置を教えてくれた。あ、そういうのは知ってるんだ・・。


衛兵さんだろうか、扉の前に二人立っていてルピスさんが行くと、さっと開けてくれた。お、おお・・。私は、なんというか小さく会釈して入っていった。だって日本人ですし・・。


入った部屋は、たくさんの窓があって手前に大きな重厚なテーブルがある。

右手の上座にルーンさんが座っていて、後ろに騎士さんが二人控えている。お、おお〜王様感〜〜!私とキラさんでお辞儀をすると、ルーンさんは笑いながら



「おう、久しぶりだな」


「あ、はい、ルーンさんも・・あ、ルーン様?」



私が慌てて言い直そうとすると、ルーンさんは吹き出して、「今はいい」と言ってくれたので、砕けたまんまで話す。後ろの騎士さんがちょっと表情筋、ピクッとしてるけど・・本当??ま、いっか。


「元気そうで良かったです。あ、事務員の件・・、本当にありがとうございました!団長さんがくれぐれもよろしくと話していました」


「ああ・・、あれは少なくて大変だった・・」


「あ、良かった・・。ルーンさんがそう思うなら、やっぱり異常だったんですね。こんなに忙しいのって、普通の事なのかな?って思ってたんで・・」


いや、ライ君が来て本当に大分楽になったけど、団長さんが遠征に行った時は・・忙しすぎて目が回ったし。ルピスさんも思い出したのか、小さく笑って私を見る。


「なかなか良い経験だった」

「・・・そう言ってもらえると、気が大分楽になります・・・」


いや、本当お偉いお二人に手伝ってもらって・・本当すみません。

不敬罪が適用されたら、真っ先に罰されるのは私であろう。


「ミラファ殿から頼まれたドレスは部屋にあるから、明日は侍女に着せてもらえよ」

「あ、そうだった!!ドレスまでありがとうございます!すみません・・・、もう何もかも任せてしまって・・・」


遠い目で、今日の新人騎士の試験どうなったかなーって思った・・。ルーンさんはニヤニヤしながら私を見る。


「・・お前、ドレス見てないのか?」

「お仕事が激務だったんです。隊服なら持ってきました」


ルーンさんが吹き出し、後ろの騎士さん達が若干堪えた顔をしてた。・・・いいよ、思い切り笑うがいい。


「・・・隊服もいいかもな」

「私もいっそ、その方がいいかなって思ったんですが・・」


ちらっとキラさんを見る。

キラさんは、小さく首を振る。


「と、まぁこんな感じで・・」


そういうと、とうとう後ろの騎士さんが小さく吹き出した。はい、アウトー!

ルーンさんは、クックと笑って私を見る。



「明日、楽しみだ」


「お楽しみに〜・・」



ドレスを見てない私は、もうそう答えるしかない・・。キラさんを見ると、キラキラした瞳で私を見ている・・・。すごく楽しみなんですね・・、分かりました。

夜の晩餐にもお着替えがあるらしく、私は目が遠くなった。


そうして侍女さんに案内してもらったキラさんとの部屋の豪華さに、またも目が遠くなったのだった・・・。す、凄すぎなんだが・・・?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ