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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、王都へ行く。2


ドレスは、キラさんとリルケさんに全振りした。


なぜなら、出かける当日は騎士団の新人騎士の試験日なのだ。

なんでそんな日にバッティングするんだ!!!めちゃくちゃ忙しい!!団長さんと、書類の確認、人員の手配、試験の内容をラフさんと相談して貰って、その際に必要な物を揃える。目まぐるしい!ドレス??!!隊服でいい!!!・・・そんな状態だった。団長さんに、私に合う一着を貰ったくらいだ。あとで着よう。


前日は、キラさんに心配されつつ、団長さんとフランさん、ライ君に、全ての書類を渡し終え、燃え尽きたので恥を忍んでおんぶして貰って帰った・・。もう燃え尽きたよ・・、明日行くの?隊服着ていい??


荷物を全てあらかじめ詰めておいて良かった・・。

朝になると、体力もちょっと回復していた。

キラさんは王都に行ったら、すぐに城へ挨拶へ行くので正装姿だ・・。はー、かっこいい・・、それを見るだけで元気になれる・・。私もドレスをキラさんに渡される。


「え?私も着るの??キラさんだけじゃないの?」

「パートナーも一緒に行く」

「そ、そうなんだ・・」


知らないよーー。そんなしきたり知らないよ・・。

ドレスは一人で着れる物をリルケさんに頼んでくれたらしい。

淡い水色だ!!キラさんの色・・、覚えててくれたんだなぁ・・そう思って着替えてキラさんの前に立つと、嬉しそうに笑ってくれるので、私も嬉しい・・けど、照れる。


少し高めのヒールを履くと、いよいよドキドキする。

と、玄関のドアをノックする音が聞こえてキラさんが行くと、ニルギさんが立っていた。相変わらず飄々としてる・・。


「お、もうめかしこんでるな!」

「・・城に一緒に行くなんて、聞いてないです・・」

「今言った・・」

「早く!!せめて前日に〜〜〜!!!」


ニルギさんは、可笑しそうに笑って部屋へ入ってきた。肩にかけたバッグ一つをキラさんに渡すと、私達を中央に寄せる。


「転移の魔術が、上手にできてな・・。これを王都の魔術師に見せつけたいんだ」

「それで、私を誘ったんですか?」


「いや、単純に楽しそうだったから」


ニルギさーん・・。じとっと見ても気にせず、ニルギさんは足元に指で何かを描くように動かすと、魔法陣が淡い光と共に足元から出てくる。キラさんは、荷物と私を咄嗟に抱きしめる。


「よ〜し!行くぞ!!」


ニルギさんが、指を上にあげると足元の光が強くなって、眩しくて目を瞑ると体が上に引っ張られていく。うわ、なんだこれ・・??!!!今度は体全体がぎゅっと下に引っ張られ、足元に地面の感触がした。


「・・ナル」


キラさんの声に、そっと目を開けるとそこは、大きな広間の中だった。

色々な額縁の中に絵が描いてあって、壁一面に飾られている。周囲には、ローブを着た魔術師さん達が立っていて、シーヤ騎士団に来た人が中にはいた。


ニルギさんは口笛を吹いて、ニヤニヤしている。


「長距離の転移、大成功だな!これは次の旅が楽だ」

「え?初めてやったんですか?!」

「ああ」


「こ、こわーーー!!失敗したらどうするんですか??!!」

「失敗した事がない」

「ああああああ・・・・・」


ニルギさんのこの自信、すごい・・すごすぎだよ。

周囲にいた魔術師さん達が駆け寄って、ニルギさんに挨拶をするとすぐに転移術についての談義に花が咲いている。まぁ・・無事に着いたようで良かった・・。


キラさんの方を見ると、その後ろからルピスさんがこちらへ歩いてくるのが見えた!


「ルピスさん!!お久しぶりです!!」

「・・ああ、元気にしていたか?」

「はい!二日間、お世話になります。ね、キラさん!」


キラさんを見ると、ちょっと目を丸くしてから小さく笑ってルピスさんを見る。



「・・世話になる」


「・・ああ」



久々の兄弟対面なのに、この二人は静かだな・・でも、久しぶりだけどちょっと嬉しそうな感じに、私も嬉しくなった。



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