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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、キャンプで手作り。


ライ君から借りたシャツを持って、夕食の支度へ行く。

あ、キラさんは無言ですでに私の手を繋いでますが、一度問いたい・・、異世界ではこれがベーシックな感じなのかと。


ライ君はいつもの光景なのであろう・・・、私のシャツを受け取るとフランさんと一緒にお鍋を置いてある場所まで行く。・・からかう団長さんよりもずっと大人だな・・ライ君。ありがとう・・、そしてごめん・・。


「キラさん、ここでとりあえず配膳してますから着替えてきますか?」

「ああ、すぐ戻る」

「・・・・ゆっくりで大丈夫ですよ」


落ち着いて欲しい、キラさん・・。奥さんはどこにも逃げません。

フランさんとライ君と、台の上にスープや作った物を置くと、騎士さん達がお腹を空かせてやってくる。皆、死んだ目してる・・、お、お疲れ様です・・。


「お疲れ様で〜す、はい、スープとお肉はそっちに置いてありまーす!」

「パンは、そっちですよー」


ライ君と、私で配膳していると団長さんがフラフラした足取りでこちらへ来る。


「疲れた〜〜、ナルさんご飯ください〜〜」

「はい、お疲れ様です・・。そんなに大変だったんですか?」

「・・・・あの蜘蛛、まだ巣があったの・・。もー疲れた〜」


・・・・行かなくて、大正解だったな。

そっと団長さんにスープを渡す。お疲れ様〜!!周囲を見渡すと、大体配り終えたらしい・・。フランさん達と、私とキラさんの分もよそっておくと、ちょうどキラさんがやって来た。


「キラさん、お疲れ様〜。スープこっちにありますよ」


静かに頷いて受け取る。

横に折り畳み椅子があったので、一緒に座って食べる。今日も美味しいなぁ〜。

キラさんは私をちらっと見る。


「川で何をしてた?」

「あ、鉱石拾ってたんです!ね、ライ君」


お鍋の近くで食べているライ君に声をかけると、ライ君が石の入った籠を持って来てくれた。


「ありがとうライ君、石、後で分けようね〜」

「僕はいいですよ、良かったら記念にナルさんどうぞ」

「ええ、でも綺麗なのいっぱいあるよ?」

「じゃあ、先に気に入ったの取っておいてください。ニキのお土産・・には、まだ早いから弟のお土産にします」


ニコッと笑うライ君、すごく・・お、お兄ちゃん・・!!!


お礼を言って、籠の中をキラさんと見る。綺麗な水色の石があったんだよね・・、指で摘むと3センチくらいの楕円形の綺麗な水色の透明な石だ。


「これ、キラさんの瞳の色に似てるなって思って・・見つけて嬉しかったんです!家で飾れたらいいなぁと思って・・」


キラさんは、じっと石を見ると、スープのお皿を私に渡してポケットを探ると一本の革紐を出して、石を包むように革紐でネックレスを作ってくれた。


「え、キラさんすごい!!器用!!!」


「紐の縛り方は、野営でテントを組む時に練習するから・・」


そういって、ネックレスを私の頭に潜らせて、首にかけてくれた。



「持っていて欲しい」



静かに笑って私を見つめる水色の瞳に、嬉しく思う反面・・・照れる。

いや、こんなちょちょっと作ってプレゼントとか・・、イケメンだよ・・。私にとってはね。でも、すぐこうして作ってくれる素直に嬉しい。


「・・・・・ありがとうございます」


キラさんが嬉しそうに笑ってくれた。

くそー、余裕だな・・。


渡されていたスープのお皿をキラさんに返すと、私はまた食べ出す。胸元の水色の石がキラっと光って、なんかキラさんがずっとくっ付いてるみたいだなって思うと、照れ臭い。


キラさんは、あっという間にスープを食べてしまうと、籠の石を見る。


「何か珍しい石、ありました?」

「そうだな・・、ナル、好きな色は?」

「水色ですよ」

「なぜ?」


ニマッと笑ってキラさんを見る。


「キラさんの瞳の色ですから」


キラさんは、ちょっと顔が赤くなった。どうだ、ちょっとやり返してみたぞ。




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