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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
148/566

黙して語らない騎士、キャンプなので自重。


キラさんのシャツ、でっかいなぁ〜〜と思いつつ、袖をまくる。


「キラさん、すみません・・シャツお借りして、替えってあります?足りないようだったら、洗ってお返しします」

「・・・・大丈夫だ」

「じゃあ、テントに戻ったら着替えてきます」

「・・・・・ああ」


キラさんが、手を繋いで歩いているんだけど、こっちを見ては視線を逸らし、こっちを見ては視線を逸らすんだけど・・何かまずいのか?胸元・・は、ちゃんとボタンをしめたぞ?


野営場所まで近付くと、団長さんとフランさんが見えた。

団長さんが私を見ると、大爆笑してるんだけど、なんなの???キラさんがぎりっと睨むし・・・。


「き、キラさん・・・あの、何か・・・」


言いかけると、キラさんが無言で私を抱きかかえて私のテントへ向かってズンズンと歩いていく。ええーと、これ、怒られるの???あと、濡れちゃいますけど・・。



テントへキラさんと中へ入ると、キラさんはハッとしてから目が泳ぐ。



「キラさん、何か体調悪い?」

「・・・いや」

「顔、赤いですけど・・」



熱中症か??

キラさんの額に手を当てると、ちょっとびっくりした顔をしているけど、それどころじゃない。ちょっと熱い?自分の額にも手を当ててみるけど、変わらない・・?体温計欲しいなぁ、こっちの世界ってないのかな・・。


キラさんは、私をじっと見つめているけどなんか顔は赤いし、苦しそう?


お腹痛い??頭痛い??

私も、何だろう?と思ってキラさんを見る。



・・・・両者見つめ合うけれど、何でしょ。この空間。



と、くしゃみが出た。

あ、そっか・・水に浸かっちゃったんだ。


「・・・ええと、キラさん、とりあえず着替えてもいいでしょうか?」


キラさんは、ハッとした顔をして、小さく頷くとテントを出ていくので素早く着替えた。あーあ・・、下着までびっしょりだよ・・。あとで、こっそり絞ってから中に干すか・・?


いや、キラさんに見られるから恥ずかしいな・・、でも生乾きの下着は嫌だ。見えずらい場所に干そう・・。乙女のキャンプとは大変だ・・。着替えて、キラさんのシャツを綺麗に畳んでテントを出るとキラさんが待っていてくれた。



「キラさん、シャツありがとうございます。こっちで持ってますか?」

「・・いや、持っていく」


「あ、はい」


キラさんは、私をじっと見る。


「・・お茶でも飲むか?」

「打ち合わせはもういいんですか?」

「今日の分は、終わった」

「じゃあ、飲みましょう!焚き火を囲んでお茶とかしてみたいです!」


そう言うと、キラさんは小さく笑って頷く。

キラさんのテントはすぐ近くなので、シャツを一旦置いてから焚き火がある方へ歩いていく。


「あ、星出てきましたよ」


空を見ると、一番星が見えた。

キラキラ光ってて、キラさんみたいだなぁ・・。あったなぁ・・そんな歌。


もう戻れない自分の故郷・・だけど、寂しく感じないのはキラさんのおかげなんだろうなぁ・・。キラさんを見上げると、キラキラした水色の瞳が嬉しそうに見つめてくる。

大好きだな・・この瞳。


「キラさんがいると、ずっと楽しい事ばかりです」

「そうか」

「でも、魔物の討伐は一緒には・・・」

「一緒に行こう」

「足手まといになるだけですって〜・・」


そんなことを言っていると、ウルクさんとライ君が焚き火の側に座ってお茶を飲んでいた。あ、珍しいな!


「ウルキラ副団長お疲れっす〜〜!!お茶、飲みますか〜?」


キラさんが私を見るので、頷いた。

お誘い受けたんだし、私の了解を得なくともいいのですが・・・。


キラさんと一緒に座ると、ライ君がお茶を注いだカップを渡してくれた。


「ありがとう、ごめんね・・兄弟水入らずで話してたんじゃあ・・」


「大丈夫です。兄とは基本的に言葉が通じない生き物と思っていますから」

「あ、ヒデ〜!!!」


・・・そう言いつつ、ニコニコ笑ってライ君をみているウルクさんは、兄だな〜なんて思って・・ちょっと微笑ましかった。





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