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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
146/566

黙して語らない騎士、キャンプでお仕事終了。


キラさん、辛いみたいだけど大丈夫だろうか・・。

ひとまず静かにしておこうと思って、辺りを見る。


時々、陽の光が木の隙間から見えて綺麗だな・・、そんな事を思っていると、先頭を進んでいた騎士さん達から、


「出ました!大蜘蛛です!!」

「ウルク!」

「うっす!」


キラさんは、さっと降りてウルクさんは私の乗っていた馬の手綱をさっと取って、後ろへ下がる。


「お、大蜘蛛って・・」

「ちーっと面倒臭いんすよね〜・・」


そういって、キラさん達が向かって行った方をみると、5mくらいある大きな蜘蛛がのっそり出てきた。

く、く、蜘蛛の大きさーーーーーーー!!???

びっくりして、ウルクさんを見ると、ちょっと笑ってる。余裕か。


蜘蛛は、いきなり糸を吐き出してきて、キラさんや他の騎士さん達はそれを避けながら足を狙っていく。突然、大きく蜘蛛がジャンプして木に飛び乗るけど、キラさんが火の魔法だろうか足元を火で攻撃すると、蜘蛛は転げ落ちるように地面に突っ伏した。


呆然とその光景を見ていると、ウルクさんは


「あ、腹の下に子供がいる・・まずいな・・」

「え?ど、どこ??」


「あの、黄色の見えます?あれっす。散らばると、あの大きさまで成長するんすよ〜」

「すっごいあっけらかんと言ってるけど、結構怖いね?!」


確かに目を凝らしてみると、うっすら黄色の塊が見える。

すっごいな、こんな遠目でよく見えたな。


「足を狙え!」


キラさんの声に、騎士さん達が四方八方から剣で斬りかかる。


「弓兵!!」


キラさんがそういうと、弓矢を持っていた騎士さん達が遠くから、矢を蜘蛛に一斉に射つと、騎士さん達は蜘蛛からさっと離れる。思わず目を瞑ると、叫び声が聞こえる〜〜!!!うう、怖い〜〜〜!!


「お、終わった・・?」

「あ、ウルキラ副団長、今、他の魔術使える先輩と蜘蛛焼いてますけど、見ます?」


「・・・やめとく」


目を瞑ったままにしておこう・・。

なんかすごい匂いするけど・・、気にしないでおこう。


と、がさっと上から物音がした。


目をパチっと開けて上を見た瞬間、1mくらいある大きさの蜘蛛が木の上からこちらを見てる。


「ひっ・・・!!!」


ウルクさんが、小さな短剣を蜘蛛の眉間にすかさず投げると、蜘蛛はビクッと体を動かしてずるっと木から落ちた。


「お、ウルクうまいじゃ〜ん」

「あざっす!」


騎士さん達の、呑気な声が聞こえるけど・・、

これ日常なの??!!私はガクガクですけどーーー!!


「も、もういないかな・・・」

「多分、ウルキラ副団長と、他の魔術師の先輩が調べてると思うんすけど」

「そういうのも分かるの?!」

「うっす!」


ウルクさんのめっちゃいい笑顔で少しホッとしたけど、怖い。怖いものは怖い。絶対、次は行かない。


他にも蜘蛛の成長したのを探して、退治していく騎士さん達の無限の体力がすごい・・。あれだけ食べるのも納得だ・・。夕飯は、材料を多めに用意しておいたけど、きっとすぐ無くなるんだろうな。


また出現する可能性もあるので、ここは次も見に来ようと話し、本日はここまで・・となった。


つ、


疲れた・・・。


いや、絶対キラさん達のが疲れてるけど・・・。


キラさんの馬に乗りながら、私は白目を剥いて、口からは魂が出てる。

遠征って、あれよりハードなんでしょう?

すごいよ、ブラボー、ハラショー、コングラッチレーション・・・、他に賛辞の言葉が出てこない・・。


帰ってきた私を、団長さんがすごくいい笑顔で出迎えた。

・・・絶対、知ってたでしょ・・、今日の内容。

あとで、甘ーーーーいココア入れてやる。マシュマロ入りだ、決定だ。


キラさんは、無言で私を馬から下ろして、じっと私を見る。


「どうかしました?」

「・・馬で、また出かけたい」


「・・・・魔物の討伐なしなら、行きます・・・」



ちょっと遠い目をしてキラさんに言うと可笑しそうに笑って、頭を撫でてくれた。

・・本当に怖かったんですよ・・。



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