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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
144/566

黙して語らない騎士、キャンプでもお仕事。


今回は馬で、山の近くまで行って密猟がないかの見回りをするらしい。

キラさんと森の中へ入っていくけど、何かいるの?辺りを見回すけど、鳥くらいじゃない?


「密猟って、何を取るんですか?」


「鳥」

「鳥・・」


簡潔な説明すぎて分からないけど、鳥が貴重らしい・・。


「ウルキラ副団長!こっちに網張ってあります!」

「すぐ取るな、足元の確認、それと周囲をもう少し見ておけ」


お、おお〜・・・仕事してる・・。


「キラさん、写真撮れる?」

「写真?」

「証拠を撮っておくといいよ」

「・・成る程」


キラさんは、網が張ってある場所を魔法で撮っていた。・・うん、ちょっとでもこれが役立つといいな。


「足跡がまだ新しいな・・」

「そんなの分かるんですか?」


「先日、雨が降った」

「うん」


・・・・それで???

私が不思議そうにキラさんを見ていると、ウルクさんが捕捉してくれた。


「雨が降った後に来たから、足跡結構はっきりついてるんすよ〜。それ以前だと、薄い足跡なんで・・、二、三日前に来たって事っすね〜」


成る程〜!捕捉説明ありがとうございます!!


「ウルクさんも、そういうの分かるんですね〜」

「あざっす!先輩達のおかげっす!」


よく突っ込まれてたりするけど、可愛がってもらってるんだなぁ。

それにしても、こんな事までしてるんだなぁ、騎士さんと言っても、仕事が手広い・・。キラさんを見上げると、


「普段は、警備隊がやっている」

「・・頭の中を読まないで下さい・・。警備隊は、騎士さんとは違うんですか?」

「騎士よりは、少し試験も簡単だがやっている事は変わりないな」

「そうなんですね〜・・」


そんな話をしていると、前を進んでいた騎士さんから、


「魔物、出現です!!30体います!動物タイプです!!」

「総員、準備!!」


キラさんがそう言うやいなや、騎士さん達は抜刀して馬の上で構える。

えっと・・、私は思いっきり邪魔では?


「来ました!東の方向、5!!」


ひ、東??東ってどっち??あっち?こっち??私は視線だけキョロキョロしてしまう。


と、ザザッとちょうどキラさんの右側にあった木が揺れた・・と、思ったら灰色の大きな狼みたいのが5匹一斉に出て来た。


「目を瞑れ」


キラさんの声が聞こえて、咄嗟に目を瞑ると、馬の上で剣が振られる振動を感じる。


ギャン!!って、狼の声が聞こえてドチャって音まで聞こえたので、耳も塞ぎたいけど体を小さくして、とにかくキラさんの邪魔をしないようにとじっとしていた。


と、キラさんが肩をポンと叩く。


「このまま、乗っていてくれ」

「は、はい」


ちょっと薄目を開けて返事をすると、キラさんは小さく笑って馬から下りる。


「ウルク!」

「うっす!」


ウルクさんがそばに来て、キラさんの馬の手綱を持つと少し離れた場所へ連れて行ってくれた。


「ひとまずここにいれば大丈夫っす!」

「あ、ありがとう・・・」


離れたし・・、目を開けてもいいかな・・。

そっと目を開けると、狼がキラさんや周りの騎士さん達に襲い掛かって来るけれど、物凄い速さで斬り込んでいく。足元から襲いかかろうとしたり、飛びかかってこようとするのを的確に判断して、剣を振っていく。


はぁああ〜〜・・・確かにすごい・・。

一般人ですけど、これは強いって分かる。


「・・こんな狼みたいのが出る所で密猟かあ・・」


思わずボソッと呟くと、ウルクさんが


「命賭けてでも、手っ取り早く稼ぎたい奴もいますからね・・」

「そうなんだ・・・」

「たまに、そういう奴を助ける時もあるんすけど、複雑っす!」


・・・ウルクさんが言うと、あまり複雑な感じがしないけど・・、そうだよね。あんな風に命を賭けて戦ってるのに、悪いことをしてる人を助けなきゃいけない時もあるんだもんね・・。



「・・・騎士さんは、皆、格好いいね」



そう言うと、ウルクさんは嬉しそうに笑った。うん、いい笑顔だ。





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