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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
143/566

黙して語らない騎士、キャンプで連れ歩く。


キラさんの鉄拳をなんとか止め、朝の訓練が始まった。


・・・走り込みだってよ、えげつない・・。

キラさんが後ろから追いついたら、もう一回あるらしいよ?


団長さんは、焚き火をしつつお茶を優雅に飲んでいる。


「まぁ〜、ウルキラも走らせておけば、ちょっと大人しいでしょ」

「ああ、そういう・・・」


いつもなら、ちょっと注意するけど・・今は、走らせておいた方が騎士さん達の命も安心なので、放置する事にした。すみませんけど、頑張って下さい・・。

ライ君は、確認リストをチェックしつつ、


「団長さん今日は近くの山に行きつつ、魔物がいたら討伐って書いてありますけど、武器は大丈夫ですか?」

「大丈夫〜、武器は一応持たせたし、ウルキラいるから」


「え?ちょっと待ってください?魔物の討伐もあって、キャンプって言っちゃっていいんですか?」


思わず聞いちゃったよ・・。

もっと気軽に思ってたけど、遠征の枠じゃないのか?


「だって、ウルキラ、ナルさんと離れたくないってゴネるし・・、だったら一緒に連れてけばいっかな!って。まぁ、今回は僕もいるし、大丈夫だよ〜」


「大丈夫かどうかは、微妙ですけど・・よろしくお願いいたします。何かあったら、キラさんの剣の錆になるのでお忘れないように」


団長さんがハッとした。

え?もしかして、今気付いた?


「・・・団長さん、大分幸せすぎて、脳みそ回ってないんじゃ・・」

「失礼な!ちょっと失念してただけだし、ちゃんとお守りしますよ!」


フランさんが横で笑いを噛み殺してる・・。いっそ笑ってやって下さい。


河原沿いを走っている騎士さん達を見て、こういう風景撮らないのかな・・と思った。


「団長さん、ああいう様子・・写真で撮らないんですか?」

「へ?」


「私の世界だと、ああいう練習している様子を撮って、こういう訓練して頑張ってますよ〜!と、広報とかに載せるんですよ」

「なるほど〜!いいかも!ウルキラに言ってこよ!」


さっと立って団長さんは写真を頼みに行った。

ああいう、すぐ意見を取り入れてくれるところ、いいんだけどね・・。あ、ルーナさんにカメラの事、まだ聞けてない・・。団長さんも知ってるかなあ・・。


走り込みが終わったら朝食になるので、フランさんとライ君と準備しに行く。


大きな木箱から、食料を引きずり出してシートの上に並べる。

結構な運動だよな・・。

汗を拭って、キラさん達の方をみると写真を撮り終えたのかこちらへやって来る。



「お疲れ様でした〜!朝ごはんこちらでーす!」


手を振ると、騎士さん達がホッとした顔でこちらをみる。

簡単な軽食を渡すと、騎士さん達は「女子・・女子がいるだけで、全然違う」「しっ!!今度こそ殺されるぞ!!」という不穏な言葉が聞こえるけど、大丈夫なのかこの騎士団・・。


キラさんと、団長さんも朝食を取りに来るので手渡すと、木箱を片付け・・てくれた。キラさんが。


「キラさんも走り込んで来たのに・・・」


慌てていうと、キラさんは静かに首を振り、


「準備運動だ」


と、言うから・・後ろの騎士さん達が、青い顔になる。

結構な速さで走ってたけど、あれで準備運動だったら、私は確実に死んでいる。騎士には絶対なれないし、ならない。


「・・・そうかぁ・・、キラさんの無限の体力、すごいけど加減してね?」


不思議そうな顔をしているけど、無言で頷いてくれた。

後ろの騎士さん達を見ると、拝んでいた・・。なぜだ。



そうして、朝食を終えると昼食を持って、山へ行くらしい。

留守番かな〜と思っていたら、気がついたらキラさんの馬の上にいた。え?いいの?!


慌てて振り返ると、野営している場所から団長さんが、



「夕方までには帰って来るんだよ〜!」



って、お母さんみたいな事言ってるけど、いや、いいの??!!!




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