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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、キャンプでもいつも通り。


思ったんだけど、キラさん・・・月日が経つと甘くなるの?


結局、星を見てるの?

私を見てるの?

いや、私だな?っていうくらいキラさんに見つめられて、若干私の顔に穴が開いたと思う。いや、それくらい見てた。


野営している方へ戻ると、キラさんはちょっと渋り出し、


「もう少し起きていたい」

「いや、明日も早いですから」

「ナルといたい」

「いや、今回は結構一緒ですから」


駄々っ子か!

と、思ったけど言わないのが吉ってもんよ・・。

キラさんの頭をわしゃわしゃ撫でて、「明日の朝、起こしてください」とお願いした。・・・・朝、弱いのは治らないんです。お願いされたキラさんは、ようやくちょっと微笑んでくれた。ふぃー・・これ、あと2日あるのか・・。三泊四日・・頑張ろう。


テントへ戻って、腰の布を取ったら足がスースーしてちょうど良い。

下にレギンスとか履けばセーフ・・とかにならないかな。


そんなことを思いつつ、あっという間に寝袋を出すと寝てしまった・・・。




翌朝、テントの前へ砂利を踏む足音が近付いてくる音で目を覚ます。


あ・・、キラさんかな・・。

でもせっかく起こしに来てくれたから、寝たふりしておこう・・。


大分寝袋を蹴っ飛ばして寝てたな・・、そう思いつつ目を閉じると、そっとテントの幕が開かれて朝日がちょっと差し込む。


「んん・・・」


流石に眩しくて、目をそっと開けると、キラさんの顔がちょっと赤い。


「あ、キラさん・・起こしに来てくれてありがとうございます・・」

「・・・ああ」


キラさんが、そのままそっと入って来た。

こらこら、訓練があるんでしょうに・・・。


「この格好で寝たのか?」


「へ?」


あ、昨日ライ君に注意された格好でした・・。いや、着替えがもう面倒で・・、キラさんしか入ってこれないし・・いっかなぁ〜なんて思ったんですけど。


「あ、はぁ・・ダメでしたか?」

「・・・・ダメだな」


珍しくキラさんがダメって言ったな。

体を起こして、キラさんの目を見るとちょっと熱を孕んでいる。あ、まずいぞ・・。


キラさんの手が、そっと太ももに触れるとビクッと体が跳ねる。


「き、キラさん・・あの、」


キラさんの手が熱を持っていて、するりと上へ撫で上げていくので、顔が真っ赤になる。キラさんは、耳元へ顔を寄せると、


「隠しておいて欲しい」


低い、掠れる声に無言で首を何度も縦に振った。


キラさんは、静かに微笑むとタオルケットを腰まで掛けてくれた。そして静かにテントから出て行った。一人残された私は、ヘナヘナと腰が抜けた・・。気、気をつけよう・・。



しっかり長いパンツを履いて、外へ出ると遠くでキラさんが団長さんと話をしていた。そして、上から下まで私を見て、静かに頷いていた・・。


うちの旦那さんチェック、厳しいな・・。


顔を川で洗って、フランさんとライ君のいるテントまで歩いて行く途中、ウルクさんに会った。


「ナルさ〜ん!昨日、あれから大丈夫っしたか?」

「あ、はい・・・おかげ様で。ごめんね〜、こっちの文化に疎くて、お見苦しいものを・・・」


「いや、そんな事ないっすよ!!みんな眼福って言ってましたよ!」

「がん・・・・」


思わず言葉に詰まると、ウルクさんの頭を後ろからガッツと掴む手が見えた。


ん・・・?


手・・??


キラさんが、無表情なんだけど鬼の形相でギリギリとウルクさんの頭を掴んで持ち上げている!!!


「き、キラさん!!!!死んじゃう!!ウルクさん死んじゃう!!ステイ!ステイです!!!」


慌てて止めると、ライ君がやって来て・・


「大丈夫ですよ、ナルさん。むしろ一回くらい死んだほうが、利口になるかもです!もしかしたらですけど!」

「いや、そういう問題じゃないと思うよ?!」


キラさんは、ウルクさんに地を這うような声で・・



「誰と誰が眼福だって?」

「ええ〜と・・」



言いかけると後ろで騎士さん達が、「馬鹿!!言うな!」「血の雨が降るぞ!!」と叫ぶ姿と、その横で頭を抱えている団長さんの姿が・・す、すみません!!!ご迷惑おかけしてます・・・?




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