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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
141/566

黙して語らない騎士、キャンプでも愛でる。


テントは、今回女性は私一人なので丸っと私のゾーンだ。


キラさんが素早く作った上に、キラさん以外入れない魔法をかけたらしい。すごい。執着すごい。大事に管理しないといけない荷物をついでに入れておいて〜と、団長さんに渡された物が入ってるから半分くらい荷物ゾーンだけど。


フランさんに貰った書類をテントに入れて、腰の布をとってショートパンツから、ハーフパンツに戻したけど・・、これでもダメなのかなぁ?ちょっとテントから顔を出して、入り口の前にいるキラさんに、


「キラさん、これくらいの丈でもまずいかな?」


少し入り口を開けて確認すると、キラさんは目を丸くして少し赤くなる。


「・・・・腰、に、巻いて欲しい」

「あ、は〜い・・」


うん、ダメらしい・・。

あ〜〜、じゃあずっとロングパンツか・・。あっついな。あ、でも腰布を巻けばセーフなら中はショートパンツでもいいんじゃない?めくってくる強者がいるだろうか?いや、いないな・・。

キラさんに殺されたい人くらいだ。


さっさとショートパンツにして、布を巻いた。

涼しいの大事だも〜ん。


テントから出てくると、ちょっとまだ目元が赤いキラさんが待っていた。


「ごめんね、キラさん・・」

「ああ・・」


なんかそんなに照れられると、私まで照れちゃうんですけど・・。

キラさんは、私の手をそっと繋ぐと、


「少し、歩きたい」

「あ、はい」


静かにいうので、頷くと嬉しそうに笑う。

うん、その顔好きです・・。


焚き火を囲みつつ、談笑している騎士さん達の側から離れていく。

少しずつ音が遠ざかって、暗闇が近くなってくる。


えーと、どこまで行くのかな??そう思って、手をちょっと引っ張ってみる。


「キラさん、どこまで行くんですか?」

「上に・・」

「上?」



空を見ると、満天の星空だ!!


おお!!!私達が住んでるのは、町中だから見られない星空だ!!

星が川のように流れている!!


「キラさん、星!星がすごいですね!!」

「ああ・・」


私は興奮して、キラさんの手を引っ張りながら空を指さす。


「私が住んでた世界も、星が見えてたんですよ。一緒で嬉しいです!あと、私が住んでた所は都会だったんで、こんな風に星が見えなかったんです!!初めてこんなに見ました〜!!」


「・・嬉しい?」

「嬉しいですよ!キラさんもいるんですから」


ヘラっと笑うと、キラさんも嬉しそうに微笑んでくれた。


「・・ナルの世界も見てみたい・・」

「何を見たいですか?」

「ナルのいた町」

「ああ〜、建物がいっぱいあって、人もすごくいて・・、ごちゃごちゃしてますよ?」

「・・でも、ナルの育った所だ・・」


キラさんの静かな声に、思わず顔が赤くなる。



「ナルの全部が好きだから、全部知りたい」


「じゅ、十分・・・知ってると思います・・」



ものすっごい甘い言葉に、繋いでいた手が熱くなる。

おかしいなぁ・・結婚して一年も経つのに・・、ドキドキするものなの?



「もっと・・・」


キラさんが、ちょっと屈んで私にキスをすると、真っ赤になってしまった・・・。キラさんは、嬉しそうに笑って私を見つめる。なんですか・・、この王子様は・・・。

私は、手をぎゅっと握る。



「・・・私の世界にキラさんが来たら、他の子がきっとキラさんを狙っちゃうから・・、ダメです。多分、ヤキモチばっかり妬いちゃいます・・」


そして、私はきっとその争奪戦に勝てる見込みはない・・。

だって、可愛い子も綺麗な子も、いっぱいいるし・・。いや、こっちの世界にも一杯いるけどさ。


キラさんは、そっと抱きしめてくる。


「ナルが一番だ」

「キラさん甘い!ものすっごく甘い!!」

「ナルは?」


「・・・・・・・・・・・・・キラさんが一番です」



そういうと、ぎゅっと更に抱きしめられた。

・・・私も抱きしめ返しましたよ?だって、真っ暗だし。星しか出てないし。最高のシチュエーションだし。





甘いのしか書きたくないの。

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