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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
138/566

黙して語らない騎士、キャンプを楽しむ。


お昼は食堂で作ってもらったお弁当をみんなに配って、食べ終えたら川で遠泳する予定だ。


食べた後にすぐ遠泳・・、えぐい。

何故か訓練の打ち合わせなはずなのに、団長さんと相談をするキラさんの隣でお昼を食べている私・・。いいんですかね、これ。


一応、川に服を着て泳ぐ練習もしておかないと、何かの際に危険・・という名目らしい。ま〜、確かにそうだよね。浮き輪とかあるの?大丈夫なの?キラさんを心配そうに見ると、


「魔法で助ける」


なるほど・・、キラさんが監視役と・・。

そして簡潔にありがとうございます。何も言ってないのに、よくわかったね・・。


皆、食べ終わるとなるべく薄着になって泳ぐポイントまで歩いていく。

私も泳ぎたいなぁ〜。


監視役として、キラさん、フランさん、ライ君と私も一緒だ。


キラキラ光る水面が綺麗で、足をつけてみようとブーツを脱いで裾をまくって入っていくと気持ちがいい!うひゃ〜〜、でもこれ、結構冷たいけど・・。団長さん・・大丈夫か??

後ろを振り返って、キラさんを見るとちょっと顔が赤い。

あれ?暑いかな・・


「キラさん、帽子持ってきます?顔、赤いですけど・・」

「・・いや、大丈夫だ」

「そうですか?暑かったら言ってくださいね。水筒持ってきました」

「・・ああ」


本当に大丈夫かな?

結構、色が白いから私より日光に弱そうだけど・・。


ピーっと笛の音がして、前を見るとギャーギャー叫びながら水に入っていく騎士さん達が見えた。


水の中へもう少し入って、泳いでいく騎士さん達を見る。

団長さん、泳ぐの上手だな〜。


隣に来たライ君は、なんとか泳ぐウルクさんを見て、


「・・・・溺れればいいのに・・」


と、呟いた・・。また何かやらかしたらしい。

わかりやすく飴をあげて、気分を直して頂いた。



川での遠泳は無事に終わって、帰って来た騎士さん達はぐったりしている・・。そうだよね・・、泳ぐって結構疲れるけど、今回は服も着てるもんね・・。


ライ君とフランさんとで、水分補給の準備をしている間に、騎士さん達は着替えに行った。キラさんが、コップやお茶入れを持ってくれたので大変助かる・・。日陰にお茶とコップを用意して騎士さん達が戻ってくるのを待つ。


それにしても暑い・・。長袖の薄いカーディガンを着てるけど・・、汗がすごい。水分補給が終わったら、あとでまた水に足をつけてこよ。


「キラさんは、暑いの大丈夫ですか?」

「・・・ああ」


すんごい汗かいてるけど・・。

日陰にお茶を置いて、コップに入れるとキラさんに渡す。


「とりあえず飲んでおいて下さい。熱中症になると困ります」


「・・・ねっちゅうしょう?」


「あ〜、キラさんの世界では、馴染みのない言葉ですか・・。えーと、暑くなると体に熱が溜まって、ひどいと死んじゃうんですよ。だから、暑い時はこまめに水分補給と休憩が必要なんです。まぁ、こっちは湿度が全然ないから楽ですけどね・・」


私が説明すると、キラさんは納得したようだ。私もコップにお茶を入れて一杯口に含んだ。ニルギさんに氷の魔法で、氷を作って入れておいてもらって良かった。冷た〜い!!

キラさんは、コップの中をじっと見て、



「・・キスしたいのかと思った」



思いっきり吹き出した。


「は?え?どこで??そんな事に??」


げっほげっほと噎せる私の背中をさするキラさん・・、いや、あなたのせいですからね!!?キラさんが私をじっと見て、


「ねっちゅうしよう・・」

「あ、ああ〜〜〜〜〜!!!あった!そんなネタ!!でも、違うんです!!そうじゃないんです!!キラさん、やっぱり暑さで頭が大分混乱してると思うので、もう一杯飲んで下さい!!」


そういって、もう一杯お茶を渡すと静かに微笑んだ。


「あとで・・」

「いや、公私混同はしない主義なので」


キラさん、とりあえずビークールです。ビークール。




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