黙して語らない騎士、夏だキャンプだ。
団長さんの結婚式が無事終わって、あとは家族だけで静かに会食するらしいので、プレゼントの山をこれでもかと渡した。埋れてしまえ!!
それを見ていたラフさん・・ちょっと青ざめていた・・。次の犠牲者・・ならぬお祝いをされるのはラフさんなんでよろしくね!とばかりに笑ったら、首を横に振ってた。ええ〜ダメですかねぇ。
そうして、結婚式が無事に終えて数日後・・・。
王都から事務員がやってきた!!
私とライ君、フランさんで出迎えたけど、みんな着いて早々仕事に取り組んでくれて感涙しかない。
「と、いうことは私は掃除係に戻るってことでいいんですか?」
執務室で、お茶を淹れつつ団長さんに聞くと、
「ん〜、まだ引き継ぎもあるからなぁ・・。ちょっとまだ考えてるから、フランともうちょっとここで働いてもらえると助かるな」
「は〜い、わかりました」
まぁ、どっちでもいいんだけど・・、せっかく事務員さん来てくれたのに、あまり出しゃばっちゃうのもなあと思って・・。フランさんはニコニコ笑いつつ、
「団長さんは、ナルさんお気に入りですからね〜」
「え、結構です」
すかさず言ったよ。いやぁ、そういうのはルーナさんだけにしておいて。
「酷くない??ナルさん酷くない??本当に泣いちゃうけど」
「まぁまぁ、ルーナさんとの生活は慣れましたか?あ、じゃないルーナさんは大丈夫ですか?」
「どんどんエッジが鋭くなってる〜〜」
団長さんに甘くしてもねぇ・・。
窓の外を見ると、今日も訓練場での練習はキツそうだ・・、なんか半分くらい死んでるかも。団長さんは、窓の外を見て、
「そろそろ新人の騎士も募集しないとだなぁ」
「あ、そうなんですか?募集してどれくらい来るんですか?」
「ん〜〜、100人くらいかな。それを30人くらいに絞って・・、まぁ何人か辞めちゃうけど・・」
そんなに狭き門なのか・・。
でも、体力がものをいうもんね・・。
「あ、でもその前に川原で野営の訓練しないとだな」
「野営の訓練?」
結構やってると思うけど・・、主に実戦で。
「ま〜、訓練っていうよりキャンプしてみんなで親睦を深めて楽しむ!っていうのが目的なんだけどね」
「え、楽しそうですね!」
「ナルさんも来れば〜?半分遊びみたいなもんだし」
キャンプ!!中学校まではやった記憶がある・・。
高校の時は風邪ひいて行けなくて・・、専門学校に入ったら忙しくてそれどころじゃなかったし。
「せっかくだし、行きます!!!」
「じゃあ、これ用意お願いしまーす。キャンプは二週間後でーす!」
団長さんがいい笑顔で、すかさずリストの紙を渡してきた。己謀ったな。
「・・・それ、狙ってたんじゃないですか・・」
「だって〜〜、僕忙しいし・・」
まったく、甘い顔をするのは危険だった。
ため息をつきつつ、そのリストを受け取る。これはフランさんと相談しつつ揃えないとだなぁ。
「わかりました。じゃあ美味しいお肉、発注しますけど・・団長さんお願いしますね?」
「ナルさん、僕のポケットマネー狙わないで・・。ルーン様が今回、予算多めに出してくれたからそっからお願いします」
「ちぇ!分かりましたー」
なんだつまらん。
まぁ、いいや。じゃあ美味しいもの食べてキャンプ楽しもう!早速フランさんに相談しに行って、準備を始める。キャンプなんて久しぶり過ぎて楽しみだな。
訓練場にお昼を持ってキラさんの所へ行った時、キャンプの話をするとキラさんは落ち込んでいた。
「え?キャンプ嫌いなんですか?」
「・・ナルと離れる」
「あ、それなんですが・・、今回一緒に行くことになったんですよ」
「・・・・・・・え?」
「一緒に行けるんで、楽しみです!!」
キラさんは、嬉しそうに笑ってぎゅっと抱きしめてきたんだけど・・、力、力が強い!!!
内臓が飛び出るかと思った・・・。
とりあえず、二週間後のキャンプ楽しみだ!
ようやっと夏の話が書ける・・。