雄弁な団長を更に祝う。
団長さんをからかいにニルギさんと私で行くと、ちょうど二人でお茶を飲んでいるところだった。
私たちを見ると、団長さんは来たか・・と、ちょっと引いた顔をしている。
当たり前じゃないですか!来ますよ?
私はこのために色々準備頑張ったんですからね!
「団長さん、ルーナさんご結婚おめでとうございます!!」
「・・・・ありがとう。その企みを含めた顔つきじゃなければ、素直に嬉しかった・・」
「えー、何でですか?めちゃくちゃ祝ってる顔ですよー!ね、ニルギさん?」
「ああ、もちろん」
ニルギさんは、綺麗な顔で笑って団長さんを見る。ほら〜!私達めっちゃ祝ってますよ!団長さんは、ちょっと遠い目をして・・、
「まさか、こんなに仲の良い二人になるとは思わなかったよ」
私とニルギさんは目を合わせてにっこり笑う。
そうなんですよね〜!何ですかね、この馬が合う感じ?
「団長さんのおかげですよね〜、ニルギさん」
「こんなに可愛いウルキラのお嫁さん、ありがとうな〜ラトル!」
「嫌だ〜〜〜、この二人〜〜〜、絶対これからも、こんな調子でしょ〜〜???」
隣でルーナさんが可笑しそうに笑う。うんうん、いつも団長さんはこんな感じですけど、いい人ですから安心して下さい。
「そろそろ余興のダンス、始めたいと思うんですけど・・、団長さんご用意は?」
「あ、そういう方法で来たの・・」
「はい、素晴らしい腕前とお聞きしましたので!」
「・・・・ニルギ、お前覚えとけよ?」
ニルギさんは、何の事かな?とばかりに笑ってる。そうして、指をぱちっと鳴らすと、魔術の術式だろうか天井から魔法陣が現れて、音楽が鳴り出す。す、すっごい!!これは初めて見たので、目を丸くしてニルギさんを見ると、ニヤッと笑う。
「さて、ラトル・・愛しい奥様とダンスをどうぞ?」
「・・・全く・・。ルーナ、一緒にダンスをお願いできますか?」
王子様のような仕草で、ルーナさんをエスコートする団長さんにルーナさんは顔を赤らめつつ、手を重ねた。そういえば、団長さんイケメンでしたね。一瞬、王子様に見えました。
やんやと盛り上がる騎士さん達は、会場の中央を円を描くように避けると、団長さんとルーナさんは音楽に合わせて華麗に踊りだす。はぁ〜〜・・踊りが上手って聞いたけど・・完璧じゃん!
最初にニルギさんに聞いた時は、ハマりすぎ!!って、思わず笑ってしまったけど・・。これは、余興に組み込んでおいて良かったな・・、だって見てて嬉しいし、幸せだし!恋人と来ている騎士さん達は、それぞれエスコートして踊り出していて、見ていて素敵だなってうっとりしてしまう。
「ナルはいいのか?」
ニルギさんに聞かれて、驚いた。いや、日本ではダンスなど踊る事はないんですよ?フォークダンスとか?盆踊りならできるけど・・。
「私、ダンスした事ないんですよ」
「そうか」
ん?後ろから声がする?
振り返ったら、キラさんが立っている。え、まさか・・・??
「踊ろう」
「やっぱりー!!いや、本当に私ダンスした事ないんですよ。ステップも知らないし・・」
「余興のお笑い担当、頑張れ!!」
「ニルギさん、完全に遊んでますね?!」
ひどーい!あんなに仲が良いって言ってたのに〜!!
キラさんは、無言で私の手を持ち腰に手を添える。
急な密着に私の顔が真っ赤になる。
「き、キラさん〜〜〜」
「足を、こうして・・一歩下げて、こう移動して、回転するようにステップを踏む」
・・完全に訓練モードになってる。
キラさんの言うように、足のステップを踏むと何となく踊れてる!!先生の指導の賜物です!キラさんを見上げると、嬉しそうに笑っている。
まあ、こんな日もあっていいか・・。
団長さんが華麗にステップを踏みつつ、私達をニヤニヤして見たので、式後のプレゼントは特大のチョコレート決定です。