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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
132/566

黙して語らない騎士、日常に戻る。


王都の問題が落ち着いて、なんと騎士団の仕事を手伝ってくれていたルーンさんが「少なすぎだろ」って言って、自ら事務員を送ってくれる事になった!!


もう一回いい?


事務員!!!来るってよ!!!


団長さんからその知らせが来た時は、歓喜したね。

フランさんとライ君と、手を繋いでクルクル回っちゃったよ!キラさんがちょうど来て、止められたけど・・。楽しかったのに。


執務室で、仕事をしつつ、


「団長さん、これである程度仕事も楽になるし、出来るじゃないですか!!結婚式!!」


私がキラキラした目で団長さんを見ると、ちょっと締まりのない顔になって頷く。私の横でのんびりクッキーを食べてるニルギさんが、カメラの術式をもう少し工夫するか・・とか呟いてる。


団長さんは、照れ臭そうに・・


「再来週・・予定通りできそうなんだ・・」


ライ君とフランさんと顔を見合わせる。

フランさんは、手をあげて


「じゃあ、教会の式場は押さえてあるし〜、装飾担当しま〜す」


ライ君は、


「僕は、式に来る人の管理ですね。あとお祝い持って来る方もいると思うので、それはフランさんと一緒にやっておきます」


わ、私?私はえーーと、えーーーーと、


「な、何か・・何かします!!!」


横でニルギさんがブハッと声を出して笑った・・・。だって、急に思い付かなくて・・。ドレスはもう決まってるらしいし・・、あとこっちの結婚式の中身よくわかってないし・・。


団長さんは、そんな私達を見て小さく笑う。


「ドタバタ続きで、色々お願いする事が出来なかった状況だけど・・、悪い・・、色々頼むな」


そんな風に言われたら、めっちゃ張り切るに決まってる!!!なんだかワクワクした気分でみんなで顔を見合わせて笑いあったのだった。



お昼になって、食堂で籠を受け取って、訓練場へ急ぐ。

キラさんは、今日も騎士さんたちに訓練という名の鬼のしごきだったらしい・・・。騎士さん達が、入り口でへばっていた。あれ・・、帰って来たばっかりなので、手加減とかは・・。


ウルクさんと目が合って、


「襲撃を許したのは誰だ?って言って〜、すっげ〜鬼の打ち合いさせられたっす!いや、死を覚悟しましたね!!」


そういう覚悟は、訓練の時にするべきではないと思うの。

あとでキラさんにもう少し加減してあげてって言おう・・。ウルクさんだって、(仮)新婚なのだ。


お礼を言って、中庭に行くと気持ちいい風が吹いてくる。

いつもの手洗い場にはキラさんが水をかぶってた・・。犬か。それだけ練習してるんだろうけど。


ざっくり体を拭いているキラさんと目が合って、手を振ると、嬉しそうに笑う。キラさん・・、大分表情柔らかくなってきたよなぁ・・。最初は無表情、無言だったけど。あ、どっちも変わらないか。私が見分けられるようになっただけだ。


いつもの木陰で待っていると、キラさんがやって来た。


「キラさん、お疲れ様です!」

「ああ」


キラさんが横に座ったところで、籠のお弁当を渡す。


「キラさん、他の騎士さんの結婚式って見たり、出た事ありますか?」


キラさんが不思議そうに首をかしげる。


「団長さんの結婚式、予定通りできる事になったんですけど・・、何かお祝いしてあげたいんですけど、私、こっちの結婚式の文化をあまり知らないから・・、ほら失礼があったら悪いじゃないですか?」

「・・ああ」


ようやく納得して頂けたようだ。


「式自体は、あまり参加した事はないが・・、余興で一度腕相撲大会はしたな」

「脳筋・・・!!!!」


ダメだ!!

キラさんに聞いたのは人選ミスだったかもしれない・・。食堂のお姉さんと、リルケさんにも聞いてみよう。キラさんは、考え事している私を見て、小さく笑う。


「ドレスを着たナル、綺麗だった」

「・・・・・・・キラさん、不意打ちやめて下さい」

「なぜ?」

「照れます!!私は、照れるんです!!」

「綺麗だ」

「キラさん!!!わかっててやってるでしょ?!」



真っ赤な顔で、注意しましたとも。・・・いくら一緒にいたって、キラさんは格好いいし、急に言われると・・まだ照れるんです!!!しょうがないんです!!!




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