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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士は、抱きしめる。


そうして王都の騎士さん達が来たこともあって、明日・・ルピスさんとルーンさん達は帰ることになった・・。



せめて、キラさんが間に合えばなぁ・・。

ちょっと残念だけど・・、明日発つのでお土産にとお菓子を買いに行く。


ニルギさんが帰って来たら、速攻で消えるだろうし。

アイシングクッキーと、チョコクッキーと、あ、なんか新しいケーキがある!これも買っておこう。なんだかんだで、あれもこれも買いすぎたかもしれない・・。


お会計で言われた金額に、ちょっと反省したけど後悔はしていない!


紙袋を持って、騎士団までの坂道を歩いて行く。


キラさん達が帰って来たら、今度こそ団長さんの結婚式ができるように準備して盛大に祝いたいな・・、お菓子とかケーキをあそこの店で頼んでおこう・・とか、色々考えつつ登って行く。


と、騎士団の詰所前に大勢の騎士さん達が馬に乗っている。



え、


もしかして、


帰って来た・・・???



坂道で疲れた足を頑張って奮い立たせて、走って行く。

くぅ・・、今度ちょっと筋トレとかしよう。


顔なじみの騎士さん達と目が合って、


「おかえりなさい!!」


そういうと、みんないい笑顔でこちらに笑いかけてくれた。良かった・・!皆、元気そうだ!!


「ウルキラ副団長、馬房に行きました!」

「ありがとう!!行ってみる!!」


私が走っていこうとすると、ニルギさんが見えた!慌てて駆け寄っていく。


「ニルギさん!!お帰りなさい!!」

「・・ただいま、ナルは大丈夫だったか?」

「はい、ルピスさんの魔術がすごくて・・!・・私は、あまり役に立てなかったけど・・」


ハハっと笑うと、ニルギさんは首を横に振った。


「ナルがいると、空気が柔らかくなる。ルーン様やルピス殿も助かったと思うぞ」

「ニルギさん・・・」


「ところで、その紙袋は?」

「目ざとい!!ニルギさん用に買っておきましたけど、こっちの箱と袋に入ってるのはダメですよ?お土産用ですからね?こっちのだけですからね??」


言ってるそばから、紙袋を受け取ると早速食べていいと言われたお菓子の袋を開けた・・。


「新作?!」

「・・新作あったんで、早速買ってみました」

「・・・ナル、褒めてつかわす」


ニルギさんは真面目な顔でそういうと、早速新作クッキーを頬張っていた・・。良かった、幸せそうだ。紙袋をお願いして、私はキラさんを探しに馬房へ向かうも、王都の騎士さん達もいるので、人でごった返していた。

ええ〜〜、どこかなぁ・・あちこち探すけど見つからず・・。


誰かに聞こうと思ったけど、明日王都へ行く人もいれば、戻って来た人で忙しそうだ。


・・うん、やめておこう。

とりあえず執務室へ戻ればキラさんに会えるかも・・、そう思って訓練場の前を通ると、目の端でキラキラ光る銀髪が見えた。


え?


足を止めて、訓練場の方へ走っていき入っていくと、腕を引っ張られる。


「・・っへ?!!」


ぐいっと引っ張られて、木の匂いがする胸の中へ思いっきり抱き寄せられる。


「ナル」


低い声が耳元で囁く。

あ、キラさんの声だ。


キラさんは、ぎゅっと私を抱きしめて顔を耳元にすり寄せる。

なんだか、それだけで胸が痛くて・・、でも嬉しくて、泣きそうになる。キラさんの服をぎゅっと掴んで私も胸に顔をすり寄せる。


「・・・お帰りなさい・・」


あ、ダメだ・・・泣きそうだ。

キラさんの胸の音を聞いて、ぼろっと涙が出た。


絶対帰ってくる。絶対無事だ。

絶対・・絶対・・って思っても、どこか不安で・・。

あれだけ帰ってくるって言ってたのに・・。

やっぱり心配になるし・・。


「無事で良かった、です・・・」


ちょっと涙目で声をかけると、キラさんは顔をあげて私を見つめる。


綺麗な水色の瞳は嬉しそうに見つめると、チュッと音を立ててキスするから、思わず顔が赤くなるんですけど!!ちょっとそれ・・照れちゃうんですよ・・。じとっと睨むと、また抱きしめられて、今度はようやくホッとしてキラさんに抱きついた。




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