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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
118/566

黙して語らない騎士、遭遇する。


王都が大変きな臭い・・そんな緊迫した状況だったりして、シーヤ騎士団も、漏れなく第二王子を匿う事になり、緊張した状態だったりするんだが・・。



ライ君が真っ青な顔で出勤してきた。

腕に赤ちゃんを抱いて。



・・・・・・・・赤ちゃん?????



「・・・・・団長さん、すみません・・とりあえず今日1日この子・・見ながら仕事させてください」


ライ君が、苦渋の判断の元連れてきたのか・・苦しげにお願いする。

団長さんもさすがに目を丸くして、抱かれている赤ちゃんをみる。


「え・・・?赤ちゃんいたっけ?」

「・・・いえ、今朝うちの前に捨てられてたんです・・。あなたの子よ!って書き置きがあったんですが、間違ってもあの馬鹿兄貴の子供とは思えないし、母は倒れてしまうし・・、弟も学校があるし・・!」


ライ君が珍しく朝から疲労困憊だ。

無理もないな・・。


ライ君の腕の中の赤ちゃんを覗き込むと、薄い茶色の髪をしていてスヤスヤ寝ている。


「可愛い・・ふくふくほっぺだぁ・・」


私と一緒に覗き込む団長さんも、フランさんも、思わず顔が緩む・・。

・・わかる、可愛いよね。

団長さんは、ハッとして咳払いをしてから、


「とりあえず、騎士団で赤ちゃんの情報を集めておこう。ミルクとかおしめは・・大丈夫なのか?」

「昔、弟が使ってたおしめ持ってきました。ミルクは途中買ってきました」


さすがや・・・ライ君。みんな感心してライ君を見つめた。

団長さんはちょっと悩みつつ・・、


「ん〜〜、じゃあとりあえず今日はいいよ。ただ、どうにか赤ちゃんの母親も探さないとだね」

「ありがとうございます!!!」


ライ君が、思いっきり頭を下げてお礼を言う。

と、赤ちゃんが声に驚いて泣き出してしまう。


「あ、わわ・・しまった・・・」


ライ君があやそうとするけれど、一度泣き出すとなかなか泣き止まないらしい・・。


「だ、抱っこしてもいい?」


思わず聞いてしまった・・。

だって可愛いし!!!


「いいんですか?」


ライ君は、遠慮がちに聞いてきたけど・・、いや、ごめん・・実はずっと抱っこしてみたかった・・。うんうんと頷くと、赤ちゃんを渡される。ほわ〜〜柔らかい!軽い!!


「か、可愛い〜〜、泣いてても可愛い〜〜!!!」


思わず赤ちゃんに笑いかけると、目が合う。にっこり笑うと、不思議そうに私を見る。あ、茶色の瞳だ・・、綺麗だな。


「可愛いね〜、お名前なんて言うのかな?私はナルだよ〜」


面白い顔をして見せると、ニコッと笑う!う、うわ〜〜〜、これはたまらん!!団長さんと、フランさんが、私の後ろから赤ちゃんを見て、


「私も抱っこしたい!」

「僕もしたいです〜〜」


すっごい食いつきがいいな・・。

ライ君は、その光景に胸を撫で下ろしていた・・。お疲れ様です。


ニルギさんも出勤してくると、速攻で抱っこしてた。みんな赤ちゃん好きだなぁ・・。そうやって、午前中はクルクルと誰かしらに抱っこされていて、赤ちゃんはご機嫌だった。


お昼の時間になって、赤ちゃんにミルクを飲ませたら気持ちよく眠ってしまった・・。ライ君は、その間にお昼を食べる。・・・世のお母さんて、これを一人でするんだもんな・・大変だ。

ゆっくり食べて〜と、声をかける。


とはいえ、そろそろ食堂行かないとだなぁ・・そう思っていると、キラさんが迎えに来た。さすが・・何があっても私と絶対一緒!!のキラさんだ。私を見てから、赤ちゃんを見て目を丸くする。


「・・・ナル」

「ごめんね、キラさん・・赤ちゃん寝ちゃって・・」


「・・・・産んだ?」

「・・・キラさん、オッケーちょっと落ち着こうか?私達、常に一緒だよね?私、いつの間に妊娠、出産したっけ?」



キラさんは、ハッとした顔になった。

オッケー冷静になろうか。



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