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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士は今日もマイペース。


ルピスさん達はしばらくこちらで滞在する事が決まって、キラさんは少し警戒してる。


うん、ルピスさんでなくルーンさんね。


お兄さんはいいのか・・。

ちょっと複雑だけども、キラさんの心が平和なのが一番だからね・・。


翌日、ラフさんや団長さんと話し合って、ルピスさんとルーンさんや魔術師さん達は騎士団の訓練場でしばらく訓練に付き合ってもらう事にした。まぁ、そうだよね・・。何もしないっていうのも居づらいだろうし。


王都の騎士さん達も、主にルーンさんの警護に当たる事になったらしい。

ちょうど居てくれて良かったね。



午前中は、書類仕事をして一旦お茶の時間にすると、ふらりとニルギさんがやってきた。


呼び出されたニルギさんは、相変わらずマイペースに執務室のソファーにゆったり座ってお茶を飲んでいる。うん、本当に猫のようだ。


「なかなか面白い事になったねぇ」

「ニルギさん・・、そういう場合ではないと思いますけど・・」

「でも、ナルとしては兄と仲良くなって欲しかったんじゃないか?好都合だろ?」

「え、ニルギさんはいいんですか?」


キラさんを小さい時に捨てた家族に、いい感情を持っていると思ってなかったので・・つい聞いてしまった。ニルギさんは、お気に入りのクッキーを食べつつ、


「ウルキラが幸せなら、どちらでもいい」

「お、お父さん・・・!!!」


思わず感動して言うと、ニヤッと笑う。

・・・本当、そういう所好きですわ・・。


そんな私達を団長さんがジトーっと見てる。なんですか、その目は・・。


「・・・・僕、結婚できるのかな・・」

「ああ、もう少しでしたね・・」


そうでしたね・・、ドタバタ続きで団長さんはしょんぼりしてる。ニルギさんはクッキーを噛み砕きつつ、


「もう籍は入れてあるんだから、さっさと一緒に住めばいいだろ?」

「えーー、でも結婚式してあげたいし・・」


「・・・団長さん、結構乙女なんですね」


私はNO!!披露宴タイプなんで・・。

でも、まぁキラさんと記念写真撮ったのはいい思い出だ。


「せめて、結婚式は今できないけど写真だけでも撮ったらどうですか?ルーナさんも嬉しいと思いますよ!」

「うううう・・、そうしようかな・・。今だと永遠に結婚式、挙げられそうにないし・・」

「お、では私の番だな!」

「よ!名カメラマン!!」


私が掛け声をかけると、ニルギさんが面白そうに笑う。

団長さんは、そんな私達を見て小さく笑う。


「あー、ここは平和でいいなぁ〜」


団長さんがしみじみ言う・・。・・めっちゃ実感こもってるな・・。


「頑張れ、団長さん!!きっとあと少しで終わる・・・はず!!」


「わぁー、慰めてくれてありがとうー」


目が笑ってない団長さん・・。哀れ。

そんな風に会話しつつ、いつものような時間に、私はホッとした。やっぱり平和が一番だよね。



しばらく仕事をして、お昼の鐘が鳴ったので私は食堂へ行く。

今日は絶対一緒に食べる!!と、キラさんは朝から強く要望して来たので・・、絶対だ。



食堂で籠を受け取って、訓練場へ行くと、入り口で騎士さん達が倒れてる!!!え?なんで?敵襲あった?!慌てて駆け寄ると、ウルクさんがいた。


「大丈夫ですか?!何かあったんですか?」

「・・・・・・ウルキラ副団長がもう一人増えたっす」


あ、理解した。


「・・・ルピスさんも、一緒に魔術訓練するって言ってましたね」

「・・・エグいっす・・あの魔力。俺たち死を覚悟しました」

「怖い・・、え、キラさんは大丈夫?」

「あ、副団長は無敵です」

「・・うーん、予想通り!お疲れ様です。昼食とって、ゆっくり休んでね!」


そう言うと他の騎士さん達にも拝まれた。・・いや、拝まなくていいよ。

訓練場の中へ入ると、ルピスさんとキラさんが魔術師さんを交えて何やら話し合っている。・・午後の訓練の事かな?

ちょっと待っているかな・・と、思っているとキラさんは話が終わったのか、こちらへ少し足早にやってくる。


「キラさん、お疲れ様」

「ああ」


キラさんは嬉しそうに笑いつつ、さっと手を繋いでその場をさっさと離れようとする・・・。



「キラさん、大丈夫ですって・・・」



ルーンさんに1秒たりとも近づけるものかという執念を感じる・・・。もう笑っておいた。




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