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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、訓練ハードです。


お昼を執務室で今日は慌ただしく済ませて、訓練場へ見学しに行く事になった。


団長さんとラフさんは先にルピスさん達と行ったので、私とライ君とニルギさんとでのんびり訓練場へ行く。


・・・今日、お昼一緒に食べたかったのになぁ・・。

そんな事を思いつつ、訓練場へ行くとちょっと緊張した面持ちの騎士さん達が準備していた。


そうかぁ・・、魔物と魔術ではまた違うのかな?


「ニルギさん、魔物って魔術使うんですか?」

「そうだなぁ・・、そんな知性を持っているのは相当強いから、然う然うないけれど・・、火を吹いたり、氷を投げてくる魔物はいるから、魔術で攻撃に見立てての訓練はあってもいいかもな」


「な、なかなか大変そう・・・」


思わず青ざめて、訓練場の騎士さん達を見る。

うん、そりゃ緊張するわ・・。

キラさん大丈夫かな・・、不安になってキラさんを探すと銀髪がキラキラ光って見えた。


団長さんが、時間が来たのか説明を始める。


「これより演習を始める!隊形はさっき話した通りにしろ、ルピス殿を始め、他3人からの魔術が来るので気を抜くな!」


お、おお・・団長さんが仕事してる。

ニルギさんを思わず見ると、ニヤッと笑って、向こうを指差す。

小さくルーナさんが見えた。


「・・・張り切ってるだろ?」

「・・ですね」


ニルギさんと笑い合ってしまった・・。


「さて、攻撃に対処できない騎士もいるだろうから、俺はちょっと近くで様子を見てくるよ」

「はい!お気をつけて!」


ニルギさんは、飄々とした感じで訓練場の中へ入って行く。

私とライ君はいつもと違う訓練場の雰囲気に呑まれそうなのに・・。


キラさんはどこだろうと、探してみるとちょうど中央にいた。

団長さんは手をあげる。



シンと静まる訓練場に、四隅に立つ魔術師さん達・・。



「始め!!!」



そう号令がかかった途端、一斉に火が、氷が騎士さん達に矢のように降り注いでいく。


その光景を見ただけで、体が固まる。

え、キラさん・・・!!!?


騎士さん達は、盾を使いながら剣で弾いたり、魔法や魔術が得意な人が防いでいる。


それでもドンドン火の矢が落ちてくる光景に足がすくむ。

やめて・・、キラさん死んじゃう!!!

叫びたいけれど、あまりの光景に声が出ない。


「隊形、乱すな!!倒れた奴は近くのものが運べ!!」


キラさんの声だ。

騎士さん達の隙間から、キラさんが氷の矢を弾き飛ばしながら騎士さん達に叫ぶ。私は両手をぎゅっと握って、キラさんの名前を心の中で呼ぶ。キラさん!!!頑張れ!!!早く終わって!!


こんな・・こんなの遠征でやってるの?

足がガクガクして、キラさんの姿を必死に探す。


その時、火の魔法が思いっきり騎士さんに弾かれた。

大きな火の塊がこちらへ飛んでくる。



「え」



目の前に火の塊が来る!!


咄嗟にライ君を抱きしめて庇う。



バチン!!!!!



瞬間、真っ白い魔法陣が二つ浮かんで火の塊を弾いた。

え、二つ・・?!


訓練場の中を見ると、キラさんがこちらを見ている。

あ、キラさんだ!!

攻撃を防ぎながら、こっちを助けてくれたの?!


じゃあ、あと一つは・・、周囲を見ると、視線があった・・。


ルピスさんだ!!


私は思いっきり手を振った。


「大丈夫です〜〜!!!ありがとうございます!!!」


そう言うと、二人とも同じようなタイミングでホッとした顔が見えた。・・・・そんな所まで似てるんだ。おかしくなって、ちょっと笑ってしまった・・。


そっと腕の中のライ君をみると、青ざめつつ私を見る。


「ナルさん、すみません・・僕、守る立場なのに」

「いやいや、私これでも大人ですからね?怪我はない?大丈夫?」

「・・・・僕は大丈夫です」

「良かった・・」


謝るライ君に笑いかけると、ライ君もようやく笑ってくれた。



なんとなく訓練場から、キラさんの圧を感じたけど・・、キラさん普通に会話してるだけですよ?





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