漫才「家」
二人「はいどーも!」
ボケ「……」
ツッコミ「どうした恐怖を撒き散らした顔して」
ボケ「実は昨日家の天井にカマキリがいて」
ツッコミ「ほうほう。確かに嫌だな」
ボケ「そしたら。『お前を蝋人形にしてやろうか』といったんだよ!」
ツッコミ「どこから突っ込めばいい!」
ボケ「それで、僕の顔に襲いかかって、頬に傷をつけられ」
ツッコミ「めっちゃ怖いやん」
ボケ「冷蔵庫木っ端微塵にして」
ツッコミ「お前よく生きてたな」
ボケ「テレビ見ながら『最近タピッてないな』とぼやいて」
ツッコミ「流行りに乗ろうとしているのだろうか!」
ボケ「『女には気を付けろよ』と言って飛び去っていった」
ツッコミ「急に格好よくなったけど、カマキリだよな!」
ボケ「僕は笑顔で手を振ったよ!」
ツッコミ「わかった。サイコパスかよお前は!」
ボケ「だって。僕の家の冷蔵庫再生するし」
ツッコミ「ターミネーターの液体金属ロボットか!」
ボケ「違うよ冷蔵庫だよ!」
ツッコミ「例えだよ!」
ボケ「だけど氷製造部分だけ動かないんだよ」
ツッコミ「そこは再生しないんか!」
ボケ「凍って動かないんだよ」
ツッコミ「律儀に氷再現してんじゃねえよ!」
ボケ「だから熔鉱炉に投げ捨てた」
ツッコミ「律儀にターミネーター再現してんじゃねえ!」
ボケ「そしたら中からこの紋所に抱えられた水戸黄門が現れて」
ツッコミ「ものすごい絵面だよ!」
ボケ「『あなたが落としたのは助さんですか。それとも格さんですか?』と言って」
ツッコミ「二人とも物じゃないんだぞ!」
ボケ「『いえ私が落としたのは、液体金属でできた冷蔵庫です』と言って」
ツッコミ「本当に液体金属なんかい!」
ボケ「『あなたは正直な人です。褒美として氷製造機能を直しましょう』と言って」
ツッコミ「そこだけ直すんかい!」
ボケ「そして氷製造機能だけ直して、熔鉱炉に帰っていったよ」
ツッコミ「あいつらほんまに住んでいるのか!」
ボケ「そして帰ったら家がなくなっていて」
ツッコミ「はあ!?」
ボケ「カマキリ君が現れてこう言ったんだよ!」
ツッコミ「えっと何て?」
ボケ「女には気を付けろよ」
ツッコミ「お前メスだったの!?」
ボケ「まあ引っ越す予定だったし」
ツッコミ「ポジティブ過ぎ!」
ボケ「断捨離する予定だったし」
ツッコミ「もう全部なくなったよ」
ボケ「僕の心の中に生き続けているし」
ツッコミ「感動的に言ってるけどもっと真剣に考えた方がいいよ!」
ボケ「だから。しばらく泊めて!」
ツッコミ「そう言うと思ったよ! もういいよ!」
二人「どうもありがとうございました!」
どうもありがとうございました!