朝に飲むコーヒー
朝に飲むコーヒーから生まれるデカダンな思考は、時折僕を窮地に立たせる。あの味や、あの香りや、あの温度は僕の頭の中を一片の曇りなく荒れさせ、そして全てを持っていく。
おそらくはそれが良いのだ。僕はそれによって、気持ちの良い朝をスタートさせることができるし、それに、コーヒー業者も大満足だ。少なくとも僕一人の、その日の朝の分だけコーヒーの豆が売れるのだし、少なくとも僕は満足している。
目も覚めるし、脳味噌も覚める。
逆の発想で、僕がコーヒーを飲むと、それによって朝が来るのではないかという考えも、月に一度のペースで僕のもとへ到来する。
朝に飲むコーヒーから生まれるデカダンな思考は、そんな誰も信じないような突飛な発想も、快く受け入れる。