ドリームバスター
「さてと、悪夢退治開始。」
ふと意識がなくなる。
そして映し出されたのは夢の中の僕たち。
僕はそっと相棒の中に入る。
「これこれ。さーてと、悪夢は食べないとな。」
「リリィ、リリィ。ごめんよ。一人にさせて。悲しかったろ?苦しかったろ?寂しかったろ?いま行くからな。」
「って、こっちは無視かよ。まてまて!聞いてんのか。」
「うるさい!!」
触手のようにとんできた黒い影は、僕らに向かってきた。
「あっぶな。くそ、もういい!俺は知らん!」
『現実夢』
「この悪夢を追い払え。」
「リリィ、リリィ。」
リリィ、ごめんね。
兄さん、約束守れなかったよ。
ごめんね。一人で辛かったろ?
一人で苦しかったろ?
一人で寂しかったろ?
ごめんね。もう、一人にはさせないからね。
リリィ、リリィ。
「悪夢は多分全部退治したぜ。」
「ん、んん。」
「いい加減起きろ!」
「んあ!おはようございます。」
「なに、したの?お兄様は?」
「リリィちゃん、お兄さんは幸せになりにいったんだよ。」
「幸せに?」
「そう。幸せに。」
「なら、私はどうすれば?お兄様がいないなんて、私は幸せじゃない!返せ、お兄様を、返せ!!」
次話で最終話になります。
たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。




