第4話 正体不明のモンスター
俺はアルファと名乗る妖精に腕を引っ張られどこかへ連れていかれた。
こんな可愛い子に腕をひっぱっれるのはうれしいが、痛い。
というかすごく痛い。腕から血が出るんじゃないかと思うくらい痛い。
一体この子の腕の力はどうなってるんだ?
普通の女の子ならこんな力はでないはずだが……
アルファ「さっき、大きい音がしたでしょ?」
奏太「あぁ、あれは一体?」
アルファ「あれは地球のカウントダウンが始まったってこと……
奏太「は?」
意味が分からない。このアルファっていう妖精が俺のベッドで寝ていたってことも非現実的だったがアルファのこの発言も非現実的すぎる。
地球のカウントダウンが始まった?
俺はなにか夢でも見ているのだろうか。
そう思い、ためしに自分の顔をひっぱたくがどうやら夢ではない。現実のようだ。
そして俺はアルファに腕を引っ張られいつしか公園へとたどり着いた。
アルファ「敵がいるっ……!」
アルファはなにか気配を感じ取った様子で俺に知らせてくれた。
奏太「敵? それってどういう……」
???「ガァルルルッ!!!!!」
突如俺たちの前に狼のような姿をした生き物が現れた。
俺はなんとか体を反らして攻撃を回避することができた。
体を反らしてなかったら体をかみ砕かれたのかもしれない。
アルファ「一緒に戦いましょう」
奏太「え?」
アルファ「アナタならできる。私が力を貸すわ」
おいおい、いくらなんでも無理があるだろ。
狼のような姿をしたモンスターに普通の人間と妖精?が共闘して倒そうだなんて。
しかもこんな可愛い女の子にけがをさせるわけにはいかない。
別に、かっこつけてる訳ではないが俺は珍しくそんなことを思ったのだった。
奏太「逃げよう、アルファ」
アルファ「ダメ……今ここでやらないと……!」
奏太「無理だ!」
アルファ「……私を信じて」
奏太「!?」
またこの目だ。俺の部屋のベッドにいた時もこういう目をしていた。
アルファのこの目は、人を惹きつける力でもあるのか?
俺は戸惑ったが、狼のようなモンスターを倒すことを決意した。
奏太「あぁ、分かった。 戦う。」
アルファ「ありがとう」
次の瞬間、アルファの体はみるみる形を変えていった。
その光景に俺は唖然とし、言葉も出なかった。
数十秒もしないうちにアルファの姿は、光り輝く剣へと姿を変えたのだ。
奏太「アルファ? どうしたんだ!」
アルファ「(詳しい説明は後……この剣を使って倒して……)」
剣に姿を変えたアルファはテレパシーのようなもので俺に語りかける。
どうやらこれであの狼みたいなモンスターを倒せってことか。
そして俺はその剣を手にとる。
と、その時だった。心臓の鼓動が急に速くなり、呼吸も乱れ始めた。
苦しい……倒れそうだ……なんでこんなに心臓が速いんだ……
今まで感じたことのないような疲労感に俺は襲われた。
アルファ「(大丈夫。 私がついてる)」
アルファのテレパシーで励まされた俺は、深呼吸し呼吸を整えた。
しばらくするとさっきまであった疲労感が徐々に和らいでいくのを感じ取った。
でもなんだったんださっきの感じは・・
狼?「ガルルルッ!!!!!」
奏太「ハァッ!!」
なんだ、これすごい。敵の動きが手に取るように分かる。
動きも普段より俊敏になってるのを感じた。
そして俺はジャンプし、狼のようなモンスターに剣で斬る。
バシュッ!!!!!と大きな音をたて狼は真っ二つになり地面にたたきつけられた。
どうやら狼のモンスターを倒したようだ。
しばらくしてモンスターの姿が消えていった。
アルファ「……大丈夫?」
奏太「あぁ。 さっきは助かったよ、ありがとなアルファ」
アルファ「……えぇ」
テレパシーで俺を落ち着かせてくれたアルファに礼を言った。
するとアルファは少し表情を緩ませて恥ずかしそうに返事をした。
その後、狼のようなモンスターを倒した俺とアルファはひとまず家に帰って行った。