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ロークアンディルテは檻の中  作者: 紺野 柚季
1・夢の中の彼女のお話(えせ童話風)
6/12

1_06:罪の意識、嫌悪

 いまだ口を聞いてくれない『弓使い』に、ロッテは誰が見ても分かるほどに落ち込んでいました。


「ロッテ、どうかした?」


 『魔法使い』の言葉に、ロッテは弱々しい視線を送ります。


「なにがいけなかったのかは、分かった?」


 いきなりいなくなったこと、だと、こくりと頷いて返しました。

 ロッテだって、いきなりみんなが居なくなってしまったら、きっと心配するのだろうと、何となく分かり始めたからです。


「じゃあ、悪いことをした時は?」

「……ごめんなさい?」

「そう」


 いってらっしゃい、と言って送り出す『魔法使い』にロッテはまた頷いて、『魔法使い』の部屋を出ていきました。



 何回も何回も、それこそ泣きそうになりながら謝って、ようやく『弓使い』が許してくれたのは、夕飯の時間が終わってからでした。



 * * *



 ぽんぽん、と優しく背を撫でるように優しく叩かれて、とろりとした眠気が忍んでくるのを感じます。

 だけど、ロッテは首をふってそれに抗いました。


「どうしたの、疲れてるでしょう? 寝なよ」

「ねるのは、いや」


 怖い夢を見るからいや、そう零したロッテに、『魔法使い』は少し考えて、その頭を抱き寄せて言いました。


「大丈夫。ぼくがいるから、怖くないよ」


 そうして、優しい声と優しい温度に、ロッテはいつしか、眠りに落ちて。

 しかし、怖い夢は、不思議と近寄ってきませんでした。

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