冒険はまだ続く
コンサルティング 通信教育 大学受験 自動車 紅茶
使い捨てコンタクトレンズ スキンケア パソコン 激安
「いっくよ~!」
私は『使い捨てコンタクトレンズ』を取り外し、宙に舞う。
眼下に広がる光景は雲または雲。雲が海に見えるほど。
大きな雲は島かしら。その中を私の小さな体は高速で落ちていく。
ぶわっと音と共に私を掬い上げたのは一匹の竜。
見ると竜のしっぽに捕まった貴族と空飛ぶ『自動車』に乗った怪盗が何か言い合っている。
「名『コンサルティング』会社社長さん。コメントをどうぞ」
マイクを向けるつもりで『通信教育』『大学受験』と書かれたパンフレットを丸めて見せると彼女は艶然とほほ笑み。
ぐりぐりぐり。お戯れを市子様~!? 痛いです御慈悲をください~?!
「意味なく飛ぶな~」
「やってみたかった」
「おかげで俺たちしっぽや爪だぞ」
茂宮の声が聞こえるが、どこか変なところにつかまっているのだろう。『紅茶』の香りに振り返れば『スキンケア』不要のお姫様の笑み。
「いざいかん! 『激安』『パソコン』を買いにジャスコに!」
びしっと指を突き立てる。今日は学校の備品購入を任されたのだ。
「ジャスコはもうないよ。今はイオングループだって」
茂宮が驚愕の事実を告げると私は目をむいた。




