何故私が旧式ブルマー穿いて読者サービスせねばならぬ
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我が学校には面接授業というものがある。
すなわち、基本通信制である我が学校でありながら先生がいないと成立しない授業だ。
その中の一つが『体育』である。
旧式のまさに昔の運動用の上着! と言いたいようなぴっちりした素材の学校の『オリジナル』『Tシャツ』の時点で恥ずかしいのだが、上の服と同じく運動用衣服を忘れれば誰が使ったかもわからぬブルマーをご丁寧にも貸し出してくれる。もちろん洗ってはいるのだろうが。
お察しだが女子は皆ブルマーを穿く。最近の女子高生は腿まである体育用ハーフパンツだがうちの制服は二十年以上前から更新されていない。
『就職活動』や『起業』に関心のあるうちの生徒は一時的な恥には無関心だったらしい。単位が取れればそれでよい。まさに私だ。
「この格好、死ねるほど恥ずかしい」
太ももに食い込むし、油断すれば下着がはみ出す。
腿の内側の筋肉の筋が市子に見えているのも相当だ。
いや、見えていないだろうけど見られている気がしてしまう。
しかもこのブルマー、赤か黒って。上はぴっちりしているから胸の形が丸わかり。
「なにいってるんだい若い娘が。堂々としてな」
とはおばちゃんの弁だがさすがにおばちゃんの体操服は別の意味でキツイ。
「俺は気にしないが」
組長はさすがに男性用の普通の半パン。ただしやっぱり腿は全部出ている。
昔の学生って恥ずかしくなかったのかな。
市子は面接授業に出てこなかった。この学校、体育に出る奴は単位が危ない子が多い。市子には該当しない。
枯葉の散る窓辺の上、私たちの学校の資料室を兼ねる学習センターの図書館。
自習に励む市子の姿が見える。絵になる娘よね。やっぱり美人さん。
「おい。みな何ぼーっとしているんだ」
先生はジャージ姿。いいよね。
「先生見るな。えっち」
そう指摘すると本気で顔を赤らめていた。先生って意外と純情。
しかしおばちゃんのほうを見て顔を赤らめているので何とも微妙な気がした。
あたしゃそんなに女性としての魅力がないのか。今度写メールを茂宮に送ってみよう。こう見えても『スキンケア』には気を使っている。
むしろ超恥ずかしいのもアレだが、この格好は太ももがむき出しで運動しないと超寒い。『使い捨てコンタクトレンズ』を外して皆を異世界の暖かいところに飛ばして授業しようそうしようと提案すると先生に却下された。
曰く異世界で授業を受けたら異世界の単位にすると。このドけち?!
「あの恰好は驚きました。娼婦もあのような格好はしません」
後に『紅茶』をすすり、『激安』『パソコン』をいじりつつ私たちの軍資金である『懸賞金』を出してくれた姫君は旧ブルマ姿に対してそうのたまった。
そうだよね。そう思うよね。なくなって当然だよね!!
「でも『大玉ころがし』とか『徒競走』などは楽しかったですね」
本日の体育は体育祭的な授業だった。お姫様のご指摘は同意できなくもない。
もっともドラゴンの化身だのお姫様だの異世界の怪盗だの貴族だのがいると多少は趣が異なる。というか種目は同じでも危険度が別物だ。
「さっそく、我が領地の兵の訓練にも取り入れます」
穏便ならぬ発言をお姫様はのたまった。




