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ヤンデレ乙女ゲームの主人公だけどコンタクトレンズを外すとVRMMO風異世界に飛んだ  作者: 鴉野 兄貴
運命って信じるかい?「は?」

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学園祭なんて楽しくない

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ニキビケア 高校受験 恋愛

 『通信教育』高校とはいえ箱である校舎は存在する。


 うちの学校は週に一回通学すれば単位を取りやすいだけで別に来なくても良い。

 講義がない日だって自習室は使えるし、講義のビデオを見てそれをノートにとっても良い。



 『海外留学』しながら在籍する子だっている。

 お姫様みたいに異世界から在籍している子もいるくらいだ。戸籍どうした。


 『恋愛』沙汰もあるし、中卒から『高校受験』した大人もいる。

 『ブルーベリー』を食えば射撃の腕が上がると言い張るヤクザの組長もいれば『スキンケア』に余念がない元じゅりあなくいーん? なオバちゃんもいる。


 外国籍の人もいるし、明らかにほかのみんなと会話が成立しない子もいる。

 重い障害を抱えながらも嬉々として学舎に通う子もいる。『金運』に恵まれぬ子もいる。


 まだ『ニキビケア』に余念がない若い子だっている。

 最短で大検と大学資格を取るために通うというガリ勉な子もいる。

 年齢も宗教も住む世界も違う。それがうちの学校だ。



 そんなうちの学校だって『学園祭』が存在する。



 もちろん、訪れるものは少ないし、学舎を兼ねる某学習センターのイベントを兼ねているのだが。

 それでも、学園祭というモノはあるのだ。


 今年は私と市子とお姫様がその実行委員を任命された。


 これも単位のためである。冒険なんかしているから単位を落とす。

 うちは大学卒業認定資格ならば高校で75単位、大学卒業扱いにはさらに125単位、高校大学合わせて合計200単位が必要だ。

 高校の資格と並行して学べるしよその学校でも単位互換できる。

 中にはどうしようもないくらいつまらない上簡単に取れる単位対象があるので有効活用せねばならない。

 私たちの学校には『〇年生』という概念もない。



「ささやかだけど、楽しいよね」


 小さな屋台や展示コーナーには私たちの書いた書や絵。

 有志で作ったカレーの大鍋がぐつぐつ。


「だね」


 こんなお祭りは参加者以前に店子になる生徒が珍しい。みな社会人だったり事情があったりするから。



 面倒だと思っていたけど。


「あ。カレー美味しい」

「どれどれ」

「ちょっとひぃちゃん。市子ちゃん。私にも食べさせてよ」


 お前はパンの耳があれば大満足だろうが。といってパンに塗ってさらにチーズをのせて焼いてやるとはしゃぐはしゃぐ。


「これを売りましょう。今すぐ」


 貧乏くさい食べ物を高級品と勘違いしているお姫様をなだめる私たち。異世界人の味覚はちょっと違うのだ。不味いとは思わないけどカレーにはごはんでしょう。



「ひいちゃん来たよ~!」


 中学の時の友達が手を振る。

 本来ならヤンデレ乙女ゲーム世界なら友人になっていたキャラの子だ。



「おおッ?! 来たかわが友よ」

「誰ですかその人」



 『嫉妬』の名前を持つ姫君は私の友達が気に入らない模様。

 しかしカレーを食べているとどうでもよくなったらしい。本当にこいつお嬢様か。



「ほらっ?! 来なよ!」


 おばちゃんが特設会場でセーラー服を着て有志の女の子と踊っている。

 先生がスポンジの剣をもって『勇者を倒す猛者求む』とか言って子供の本気の剣を受けている。

 組長が組の若いものを引き連れて子供にお菓子をくば……あ。泣かれた。当たり前だ。セーラー服のおっさんは怖い。


 誰かが花火をあげる。なぜかハロウィンコスプレの生徒がいる。



「すげぇ! ドラゴンだッ」


 子供たちがCGかなにかと思ってはしゃぐ。


「行くぞゴールド!」「エロース! 貴様には負けぬッ」


 あっちでは貴族様と怪盗さんがスポンジの剣を振りあっている。



 学生っていいよね。

 ヤンデレ乙女ゲームの主人公やっていた時は学校って楽しくなかったな。

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