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ヤンデレ乙女ゲームの主人公だけどコンタクトレンズを外すとVRMMO風異世界に飛んだ  作者: 鴉野 兄貴
男なんていなくても乙女ゲーム小説の主人公はやっていけるよね
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最初のイケメンと書いて生贄と呼ぶ

温泉宿 通信制 スキンケア 占い 金運

中国留学 海外旅行 就職

 魔法学校と『通信制』高校の学業を両立すること。

 そのほかにも稼業があったりシノギがあったり家業をやったり。

 私たちって結構忙しい。『中国留学』目指していたりするけど、『就職』しながら学業していると『海外旅行』だってなかなかできないし、私の能力っていい刺激になっているのかも。



「いや、一年365日にさらに異世界の360日追加だぞ。ダレダレだ」


「おかげで勉強は楽だけどね。茂宮」

「うむ」



 私たちはそろって勉強中。

 要するに暇な側の世界に逃げれば24時間分稼げるので、あっちのテスト勉強が楽になるのだ。

 物部って結構好青年でしかも学校の勉強ができる。茂宮と大違いだ。



「悪かったな。どうせ俺は水泳と陸上競技しか取り柄ねえよ」

「ふんだ。あんたの声なんて聞こえないし聞きたくもない」



 そうやって異世界の『温泉宿』に滞在して日々を過ごす私たち。『スキンケア』も絶好調。魔法世界って悪くないわね。いろいろ不便だけど。



「市子~! 今日の『占い』は?」


 日本から浴衣を持ち込んでゆったりとくつろぐ彼女は実に絵になる。

 私の容姿って『平均的過ぎて美人』だけど市子は本当に美人さんだ。なにを着ても似合う。


「『金運』は絶好調」


 タロットカードを見せつけてニヤリとする市子。

 そんなこと聞いていないし。あの後も色々あってお姫様を助けた私たちは国賓なのだ。

 あ、中央の兵隊や国王も私たちが助けたの。すごいでしょ。もっと持ち上げていいわよ。



「このままこっちに『就職』しようかな」

「茂宮。いいアイデアね。でも元の世界に戻れると思わないでね」


「就職ってあの騎士隊長の下?」


 ああ。イケメンさんだよね。年輩だけど。


「おじさんって言っても先生と同い年だぞ?」


 茂宮の発言を聞いて先生が慌てています。


「おじさんだよね」

「ねぇ?」


 先生の肩を持つ茂宮に私たち女性陣。物部は苦笑。



「あ。私また風呂に入ってくるね」



 ふい~。

 かっぽーん。

 気分だけは鹿威しの音。



 やっぱり温泉で「ふー」といえば「かっぽーん」は基本だよね。



 この場合異世界なので鹿威しどころか竜脅しだけど。

 ちなみに空に向かって花火を撃つ。竜の機嫌がよくなるそうです。



 たまにだけど竜が空を飛んでいるのよ。この世界。

 もあもあの湯気。それを見上げると惑星を取り巻く不思議な輪。

 この輪のおかげで夜でも結構この世界は明るい。



 輪の光を用いて行う農業もあるのよ。面白いでしょ。



 ぱしゃ。

 戯れに両手でお湯を掬い上げ、頬に浸す。


 うーん。快適。快適。


 私はどこからか視線を感じ、その方向に素早く背もむけずに洗面器である桶を投げた。



 かっこーん! 命中。



「茂宮。あなたホモとはいえ若い男の子だし溢れるリビドーを制御できずに私の魅力あふれる裸を覗くのを止めることはできないだろうなと思わなくもないけれども、ちょっとデリカシーがないんじゃ……あ」



 そこには私の知らないイケメンさんが伸びていた。

 タオル一丁を股間にあてて、なんともしまらない状態だったが現行犯である。

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