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海洋機構物語  作者: FORCE
混沌期
8/13

問題点

「誰か<料理人>で調理のできる人~~いませんか~~。」

「悪い、俺カップめん専門だ。」

「俺も実際料理したことねえんだよな。ご飯とかも炊飯器で作っていたからな。」

さて念願の調理法を手に入れたのだが、それから先が問題だった。

「俺、家でいつも料理していたよ。今のサブ職<木工職人>だけど。」

「現実世界ではフランス料理のシェフでした。現在<細工師>ですが。」

「本気で誰か<料理人>で調理できる人いませんかーーーーーーー!」

まず起こった問題は『プレイヤーとキャラクターのスキルの不一致』。<料理人>なら誰でも、<レシピ>で作れると思っていたから、まさかリアルの腕前が必要と思っていなかったせいで相当数の不適合者が出たりした。


その後判明した(ある程度の考察はなされていたとはいえ)事実だが、生産系の職業だけではなく一部のロール系の職業でもある程度の手で作成する事がわかったのだがさらなる問題を抱えていた。


例えば、<農家>は穀物関係の料理しか作れないし、<漁師>なんかは海の幸関係の料理しか作れない。

それらではない料理は失敗する。

<料理人>は全ての料理に対応できるが、材料調達のボーナスはあったとしても他の職業に比べたら少ないと言うほかない。


さらなる問題点として、サブ職業を変えたらまたレベル1からやり直しと言うのがある。


このルールのせいで、どのような職業が必要になるかわからない以上、下手な職業変更はギルド全体の失敗を招きかねない。

だが、職業変更をしなければ、いつかは飽和した供給によって共倒れになる可能性もあるのだ。


4年ほど前に<料理人>スキルを付加する『新妻のエプロン』と言うアイテムが出されたことがあるのだが、時期限定・<料理人>イベントなおかつすさまじく忍耐を要求するクエストだった為、手に入れた人間は少数であり、その価値が只の布きれから跳ね上がった一品である。


また、他の手段として一部の召喚モンスターにサブ職業が設定されているのをメンバーがいろいろと調べている最中に思い出した。

これはこれらのサブ職業はモンスターのフレーバーに使われることが多く、ゲーム時代において使う方法が無い事もあり、みな忘れていたのだ。

しかし<幻獣憑依>と言う特技を使えば、モンスターの能力も使えるので、それらを利用した能力使用方法も考慮されている。


次に、食材の偏り。

「こんな事なら、もうちょっと食材アイテム残しておくべきだったな……。」

おそらく、クレセントムーンが売っている物はハンバーガーとピザなので小麦が大量に必要と思ったら、それこそ様々な種類の食糧に使える物だとわかったので、小麦が余って他の物が足りないという状況に陥ってしまったのだ。

特に砂糖の不足は著しく、(砂糖だけでは腹が膨れないので、新しい料理法が見つかる前はそれほど必要ではなかった。)

そのあたりの調達に四方八方に手をまわしている最中である。


このように様々な問題点を抱えていたが、みなわいわいとしながらもそれほど落ち込んではいなかった。

林檎が地面に落ちるからと言って怒る人がいるだろうか?


それを調べていけば何かわかる事があるかもしれない。

誰もが顔を上げ始めたのだった。

円卓会議設立の話はすっ飛ばします。

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