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海洋機構物語  作者: FORCE
空白期編
11/13

船を作ろう

一応海洋機構が保有しているドッグの中。一応と書いたのは三大生産ギルドのメンバー共用で使っているからだ。

「………2週間でここまで作りましたか。」

「作りに作ったからな。」

ずらずらと並べられた小型プールやら船の模型やらを見て全員が感慨深く言葉を喋る。

「大半作ったのは俺……じゃなかった俺の『オーガロック』ですけどね。」

幹部達の横にいた男がそう言ってや自慢げに言う。

彼の名前はヒサシゲ。召喚術師サマナーでゴーレムなどの人工生命体を主体とした『パペットマスター』だ。

「まさか、ゴーレムで物作りとは、あっちの世界じゃできもしませんでしたからね。」

彼のサブ職業は<大工>であり、その実本職の生産系サブ職業ではないのである。

が、流石にロール系職業の中でも物を作れるサブ職業は存在する。

そんな、生産系サブ職業とロール系サブ職業の差異は何かと言えば、『ある系統の材料を使った物の最高レベルの物を作れるか否か。』にかかっている。

これはMMO特有のシステムが関連してくるのだが、『この系統の材料はとりあえずこの職業の所に持っていけば何かに加工できる。』という方向性があり、素材アイテムを売買する時に専門のアイテムを持ち込めばそれなりの価格で引き取ってもらえる為であった。

例として上げるなら、

<鍛冶屋>:工業金属

<裁縫師>:布、皮

<細工師>:貴金属、宝石

<調剤師>:薬草、薬品

<料理人>:食材

<木工職人>:材木

<筆写師>:植物、皮

<機工師>:工業金属、貴金属、宝石

<錬金術師>:宝石、魔法の石

<醸造職人>:果実系食料アイテム

この系統のアイテムを持ち込めばとりあえずゲーム時代だったら買ってもらえたりするのである。逆を言うと<大工>などのロール系職業の場合は、複数種類の素材で1系統のものしか作れない為買う方にとっては有利だが、売る方からするとやや不便な面もあったりする。

現在においてもこの方向性は変わらないが、<料理人>に関して言えば食材の使い方が<料理人>によって偏っているので、その食材をどうやって分配するかの問題点があったりする(但し、店によって必要な食料品は違うので奪い合いになるほどではない。)。


「今の所、大型船の建造には成功しました。蒸気エンジンの方も問題なく稼働しています。」

「なんか、開発速度が異常だな。大丈夫なのか?」

「メニューと手作業を併用してますからね。色々と手段を使ってるんですよ。」

ヒサシゲはそう言ってバッグから木の板を取りだす。

ヒサシゲは目を閉じると呟くように言葉を紡ぐ。

「メニュー『看板作製』。」

その言葉と共に木の板がすさまじい勢いで加工されていく。

やがてヒサシゲの手の中に緑色で白文字の『安全第一』と書かれた看板が出てくる。

「メニュー法の利点は、まず速度です。『レシピ』さえあればかなりの速度で作る事ができます。

 また、本来使用されていないはずのパーツも勝手に何処からともなく出てきます。今回の場合は染料ですね。

 本来『看板作製』は、店の看板とかを作る為の技で、それこそ様々なサブ職業が使えます。」

そう言ってヒサシゲはその看板を隣の男に渡す。

「欠陥は『レシピ』に無い物は作れない。また材料が欠けた場合も作れない。」

「あと、料理はまずい。」

その言葉に全員が過去を思い出してどよーんとする。

「手作業のメリットは『レシピ』が無い物も作る事ができるという事です。

 そして材料が無くてもある程度の対処はできます。」

「あと、料理が上手い!」

その言葉に、全員がどっと笑う。

「デメリットとしては恐ろしく手間がかかります。また実際に手足を動かす必要がある以上、寝ながらできるというわけではありません。」

「メニューでやると寝ながらできるのか?」

「はい。と言っても本当に寝るとコマンド使えませんので、あまり意味が無いですが。後、関係ありませんが、目をつぶってても使えます。」

ヒサシゲはそう説明しながら、やや言葉を止める。

「なるほどねえ。それでこんなに早く作業が進んだんだ。」

「その分、MPの消費量もすさまじいですよ。作業員の大半が1日3回はMPが切れますし。」

「そんだけ一生懸命働いてるって事だろ。良い事じゃないか。」

「そうですね。

 あ、MP回復したんで、作業に戻ります。

 来い『オーガロック』!!<従者召喚:ゴーレム>!!」

その言葉に反応して彼の目の前に巨大な鉄人形が出現する。

「<幻獣憑依>!」

再びヒサシゲがそう言うと、急にヒサシゲの体がぼーっとしたようになる。

「じゃあ、作業に戻ります。」

ゴーレムがヒサシゲの声でそう言うとズシンズシンと作業場へと向かっていった。


夜のスミダ川の近くの宿屋。

1人の少女がむしゃむしゃもぐもぐと食事を食べていた。

「これは………事件です!!」

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