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女子高生達の裏事情  作者: 夢未 照代
第一章~出会い~
7/61

脅される胡桃

宿題に追われて何日か投稿出来なかった(´Д` )

今回も長いッスOTL

「かななん、おはよっ」

「はよっす」

あれから数日。かななんは少しずつ、私に笑ってくれるようになった。

「胡桃は?」

「遅れてくるってさ」

「ふーん……」

クラスのみんなも緊張がとけたのか,色んな人がそれぞれのグループを作り、楽しく過ごしている。

私のグループは今のところ、四人かな。

「はあ……」

かななんが、お決まりの溜め息をつく。

「どうしたの?」

「だってよ、今週オレら、掃除だぜ?」

「あっ、本当だ」

先週は楽音歌達が掃除だったが、今週は私達が掃除担当だ。

「だりーんだよなぁ。んなに掃除したけりゃ先公がしろっつーの。生徒使うんじゃねーよボケ」

これが本性なのか、かななんは最近、学校や先生の愚痴をよく言うようになった。

そして、一人称は「ウチ」の他に「オレ」と言うときもある。

「そういや、ラネカは?」

かななんが私に尋ねる。

「ああ、トイレだよ」

「トイレか」

ふと、カナガさんを見てみる。彼女はいつも通り一人で居た。

「ちょっと田川さんっ!」

突然、横から大きな声が聞こえてきた。

「な、何?如月さ――」

「いつになったらメール送ってくれるの!?」

「あっ……」

しまった、すっかり忘れてた。

「ごめんっ。今日送るからさ」

「んもうっ!鎮紅、待ってるからな!?」

そう言って、如月さんはカナガさんのところに行った。

あの二人、仲いいのか。

「怒られちゃったね」

かななんがこっちを見て笑った。

「すっかり忘れてたよー。あはは」

すると、楽音歌がトイレから戻ってきた。

「あ、おかえり」

「ただいま」

楽音歌は周りをキョロキョロと見渡した。

「……くーちゃんはー?」

くーちゃんとは、胡桃のこと。

胡桃が居ないときは、ふざけて「くーちゃん」と呼ぶことが多い。

「遅れるらしいよー」

その瞬間、予鈴が鳴った。

あと五分までに教室に入らないと、遅刻になる。

「くーちゃん、間に合うのかな?」

「大丈夫じゃない?多分」

あと三分、あと二分……。胡桃はまだ来ない。

「おいおい、ちょっとヤバいんじゃねーの?」

かななんがそう言って、教室のドアから顔を出して胡桃が来るかを見た。

「胡桃、来た?」

「いや、まだ……。あ、きたきた」

かななんがそう言ったとき、胡桃が物凄い勢いで教室に入ってきた。

「セーーーーフ!!!」

胡桃がそう叫ぶと、教室に居る人達が全員こっちを見た。

「おいクルミー、うるせーよ」

「知ってるー」

胡桃は自分の机に鞄を置いた。

「胡桃、何で遅れたの?」

私がそう尋ると、

「ああ、まあ色々とね」

とだけ答えた。

そして担任が入ってきて、HRに入った。

退屈な授業の始まりだ。


昼休み。みんなで机を囲みお弁当を食べていた。

すると、ドアが勢いよく開き、他クラスの人が入ってきた。

「おい胡桃っ!!」

「っ!!?級長っ……!!」

胡桃が逃げようとしたが、あっさりと捕まってしまった。

「お前、今日の朝わざと遅く登校しただろっ!」

「違っ……!」

「絶対ソフト部に入れよ!?入るまで胡桃を追いかけまわすからな!?」

「そんなーっ」

この騒ぎにクラスの人達の視線が集中する。

私達は唖然としていた。

「なんか文句あんのか!?」

「あ、ありませんっ……」

「そうか、よし。じゃあ今日絶対入れよ。いいな?」

それだけ言うと、その人は「失礼しましたー」と言って教室を出て行った。

胡桃がよろよろと立ち上がり、椅子に座った。

「あーあ……、クルミ、どんまいだな」

かななんが胡桃に言った。

「それ、どういうこと?」

「クルミ、ずっとあの人に言われてたんだよ。『ソフト部に入れ』ってな」

そういえば、前もそんなこと言ってたな。

「でも……、それって、ちょっと酷くない?」

「仕方ねえよ。……コイツ、いじられやすいし」

かななんのその一言で会話は終了し、沈黙のままお弁当を食べた。

胡桃はずっと溜め息をついていた。


「やっと終わったぁぁ」

6時間目が終了し、私は思いっ切り伸びをして言った。

「でも、まだ掃除あるぜー」

「はっ、そうだった……」

私とかななんは同じ班。それだけまだ救いだった。

「私達の班は掃除場所どこかな?」

「どこもだりーじゃん」

「まあね」


掃除開始後、掃除場所を知らされた。

私達の班は教室だった。

「教室とか、先公居るじゃん」

かななんがぼそっと言う。

次に、ホウキか雑巾か窓ふきのどれをするかを話し合った。

「かななん、一緒に窓ふきしない?」

「まあいいよ」

窓ふきが一番楽そうだったので、窓ふきに決定した。

「だりーなぁ……」

かななんが不満をもらしながら適当に窓を拭いていく。

すると、もう一人誰かが雑巾を持って窓の方に歩いてきた。

名札を見ると、「九十田」と書かれていた。

「あれ……、九十田さんも窓ふき?」

私が尋ねると、九十田さんは何も言わず大きく頷いた。

「そっか。じゃあ、こっち拭いてくれないかな?」

私がそう言うと、九十田さんは「いいよー」と言い、のんびりと窓を拭き始めた。


それから五分ほど経ち、みんな掃除を終了していった。

「私達も掃除終わる?」

「そうだな」

雑巾を片付けようとすると、九十田さんがまだ掃除をしていた。

「……九十田さん、もう終わっていいと思うよ?」

私がそう言うと、九十田さんは何も言わずフラ~っと雑巾を片付けに行った。

なんとも不思議な子だ。

帰り支度をしようとすると、教室にカナガさんが居た。

カナガさんは掃除じゃないはずだが……。

「――カナガさん、誰か待ってるの?」

近くに立つと、かなり見上げなければならないくらい身長差があった。

「ああ……。他のクラスの友達をね」

「そっか」

何となく名札を見てみる。

「……『嘉永』って、難しい漢字だね」

「ああ、これね。まあ書き慣れたけど」

嘉永さんは背が高くて、喋りかけにくかったけど、話してみれば親しみやすい人だ。

「ユウ、帰ろうぜ」

「あ、うん」

かななんにそう言われ、待たせていたことを思い出す。

「じゃあねっ、嘉永さんっ」

嘉永さんはイケてる笑顔で手を振ってくれた。


「おっまたせー」

下駄箱に居る楽音歌に手を振る。

「あれ……、胡桃は?」

「ああ、部活に行くんだってさ」

そっか。今日、あんなに言われたんだもんね……。

「じゃあ、胡桃とはもう帰れないのかな……」

「そうだねー」


そして、いつもと違い胡桃の居ない三人で帰った。


奏慧が本性出したぜw

胡桃、可哀想だな(´・ω・`)

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