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女子高生達の裏事情  作者: 夢未 照代
第五章~すれ違う想い~
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絶交

トイレから教室へ戻ろうとすると、向こうからかななんが歩いてくるのが見えた。

私は目を合わせず通り過ぎようとした。

「――なあ」

かななんに声をかけられる。

言われる内容は見当がついている。

「なんかさ、オレのこと避けてる?」

ビンゴ。思った通りだ。

「別に。避けてないよ」

目を合わせないまま言う。

「最近メールの返事も素っ気ないしさ、話しかけても聞いてくんねーし」

「気のせいじゃない?」

これ以上付き合うと面倒だ。

さっさと通り過ぎようとすると――。

「気のせいじゃねーだろ」

――と、腕を掴まれた。

「なあ、オレ何かしたか?ユウの気に障るようなことしたか?したんなら謝るからよ」

何でかななんは、こんなに必死なんだろう。

私と口を聞けなくても、平気なクセに。

「……かななんのためよ」

「え?」

「私はドジでマヌケでバカだから、今までかななんに迷惑ばかり掛けてきた。だから、これ以上迷惑を掛けないように、かななんから離れたの」

そう、これは、かななんのため。

「何だよ、それ。オレは迷惑なんて思ってねーよ」

「かななん言ったじゃない。『ユウはドジだから』って」

腕が痛い。放してほしい。

「……オレ、そんなこと言ったか?」

覚えてないんだ。そうか。

「もういいよ」

かななんの手を振りほどく。

「ちょっ、ユウっ」

かななんなんか知らない。


『私はかななんを絶対に裏切らない』


前に誓ったことも、もうどうでもいい。

これで、かななんに迷惑を掛けずに済むのだから――。

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