自己紹介
主なキャラ、全員登場ですッ(゜∀゜)
学校名を考えるの、結構大変だッた…w
「おはよー」
朝、学校の下駄箱で靴を履き替えていると、不意に声をかけられた。
「あ、おはよう」
ボーイッシュな雰囲気のその子。積極的な部分が羨ましい……。
さりげなく名札を見て、名前をチェックしようとする。……が、読み方が分からない。
「えっと……」
「ん?ああ、『かみの』って読むよ」
「カミノ……。珍しい名前だね」
「んーまあね」
「一緒に教室に行っていい?」と言ってきたので、「もちろん」と明るく返事をした。
早速、友達かな……?なんて期待してみる。
「そっちは、何か部活に入る予定とかあるの?」
「私は無いよ」
「私も」
私に続き、楽音歌も答える。
「こっちさあ、友達に強引に『入れ』って言われてるんだよ」
「そうなの?」
「入る気しないから、逃げ続けるけどね」
そう言って、上埜さんは苦笑した。
教室に入ると、やはり静まり返っていた。
そんな中、上埜さんは色々な人に「おはよー」と言い回っている。
「上埜さん、すごい積極的だよね」
楽音歌にぼそっと言う。
「確かに。ちょっとビックリしちゃった」
「はい、じゃあ今日は、自己紹介をしてもらいます」
担任の言葉を聞き、上埜さんが「えー」と言った。他の子達も嫌そうな顔をしている。
名列順に、一人ずつ自己紹介していく。
一番最初は、楽音歌だった。
「伊藤 楽音歌です。出身中学校は瀬名川中学校です。部活は特に入る予定はありません。よろしくお願いします」
淡々と自己紹介を済ませ、楽音歌は席に着く。
そのあと2、3人が自己紹介を済ませた。
「じゃあ、次は嘉永さん」
名前を呼ばれ、返事をせずにムクッと立ち上がったのは、あの背が高い子だった。
(カナガさんかぁ……)
「……嘉永 芹亜です。三城中学校出身で、部活は美術部に入ろうと思います。……よろしくお願いします」
ゆったりと喋るのは、だるいからなのか、性格だからなのか、それは分からなかった。
「はい、じゃあ、えー……次は上埜さん」
「はい」
上埜さんが堂々とした姿勢で前に出る。
「上埜 胡桃です。出身中学校は大河中学です。部活には入りません。よろしくお願いしまっす」
上埜さんは軽く自己紹介を済ませた。
自分の番が近づくにつれ、心臓がドキドキしてくる。
訛りを笑われないか、心配だった。
「次は……如月さん」
「はい」
少しぎこちない返事をして、キサラギさんという人は前に出た。
しっかりしてそうな顔立ちだ。
「如月 鎮紅です。出身中学校は古都片中学校で、部活に入る予定はありません。よろしくお願いします」
丁寧な自己紹介をして、キサラギさんは席に着いた。
……自己紹介なんて、あっという間で、気づけば自分の番が来ていた。
「次は、田川さん」
「っ、はいっ」
緊張のせいか、声が少し裏返ってしまう。中学の頃なら、これだけで笑い者にされていただろう。だが、クラスの人達は何も反応しなかった。
黒板の前に立つ。みんなの視線が自分に集まった。
「田川 癒羽です……。部活に入る予定はありません。……よろしくお願いします」
言い終わると同時に、席に戻った。
田舎から来たと言われたくないので、出身中学校は敢えて言わなかった。
「はい、じゃあ、次、段林さん」
「……はい」
だるそうな返事をして、ダンバヤシさんは前に立った。顔もだるそうな顔をしている。
「……段林 奏慧です。出身中学校は來山中学で……、部活は入りません。……よろしくお願いします」
最後の部分は声が小さく、よく聞き取れなかった。
ダンバヤシさんは席に着くと、「はあ……っ」と深い溜め息をついた。
次に自己紹介をしたのは、ツクダさんという子だった。ボサッとした髪型がすごい独特だなと思う。
「九十田 夜宵です。坂手中学校出身で、部活には入らないと思います。よろしくお願いします」
やはり、高校生になると、部活に入らない人が多いらしい。
「楽音歌の自己紹介、すごく聞き取りやすかったよ」
自己紹介が終わったあとの休み時間、私達はそんな話をしていた。
「えー、そうかなー?」
「うん」
「癒羽は、もう少し堂々としてみれば?」
「それが出来たら苦労しないよ……」
上埜さんが羨ましい……。
「なあなあっ」
横から元気な声で、突然声をかけられた。
「え、あ、はい?」
この人は、確かキサラギという人だったはず。
名札を見ると、「如月」と書かれていた。
「タカワさんでしょ?メアド交換しないっ??」
「……え?」
いきなりの『メアド交換しよう』という言葉に、私はかなり驚いた。
それと、名前の読み方が違う。
「え、えっと……、まあ、いいけど……。あと、私、タガワね?」
「え?あははっ。ごめーん、間違えたー」
元気な子だなあ。
「じゃあ明日、鎮紅がメアド教えるね?」
「うん」
今日じゃなく明日なのか。
色々と変わった子だ。
「いきなりメアド交換って、すごいよね」
楽音歌がボソッと言う。
「うん。ビックリだよ」
それから少しして、チャイムが鳴った。
その後は配布物を配られ、先生の話を聞いて学校は終わった。
「田川さん、ばいばい」
そう言ってきたのは上埜さんだった。
「あ、ばいばい」
鞄のチャックを閉め肩に背負おうとすると、鞄が後ろに居た人にぶつかった。
「あっ、ご、ごめんっ」
その人の名札を見ると「段林」と書かれていた。
「ああ、いや……」
彼女は携帯をいじっている。
この学校は携帯の持ち込み禁止なのだが……。
「癒羽、帰ろう」
「あ、うん」
そして楽音歌と一緒に、家へ帰った。
次回ゎ、癒羽が奏慧と仲良くなろぉと
努力しますョー(沙*・ω・)