番外編~夜宵の告白~
前回の話の前に起こった出来事です――
「つっかれたーっ」
漢字検定の補習に出るため、鎮紅は放課後残っていた。
「――鎮紅!」
一人で廊下を歩いていると、後ろから誰かに声をかけられた。
「ん?九十田ッチ?」
鎮紅は夜宵の側に行く。
「どうしたの?九十田ッチ。帰ったんじゃ――」
「ちょっと話があるの」
そして、夜宵は鎮紅を連れて教室に行った。
「話って何?」
鎮紅はいつもの笑顔だった。
「……鎮紅は、本当に優しいね」
「どうしたの?いきなり……」
「みんな、あたしのことを無視してるのに、鎮紅はそんなことしない」
「あー……」
「あたし、鎮紅のこと好き」
「本当?ありがとう。シズクも九十田ッチ好きだよ」
鎮紅の返事に、夜宵は呆れた。
「……友達としてじゃないよ」
「え?」
「レズって言ったら……、わかる?」
「あ……」
夜宵の言葉の意味を、鎮紅はやっと理解したようだ。
「鎮紅は、どうなの?」
「……シズクは、他に好きな子がいるから」
「芹ちゃん?」
「ううん。田川」
鎮紅の言葉に、夜宵は目を見開く。
「何でっ……!?あいつは、あたしをグループから外した最低な奴だよ!?なのに何であいつをっ……」
「初めて見たときから好きだったんだ。可愛いし、それに……、田川なら、シズクのこと裏切ったりしないと思うの」
「あいつはあたしを裏切ったんだよ!?あんな奴を信じれるの!?」
「……」
「あいつなんかより、あたしの方がいいに決まってる……!なのに何でっ……」
「……ごめん、九十田ッチ」
次の日、夜宵は癒羽に殴りにかかった。
女の嫉妬って、怖いですねー(棒)←




