文化祭②
作者ゎ只今テスト期間です(笑)
外にある出店には、大量の行列が出来ていた。
「これ並ぶのー?ヤダなー」
「仕方ないじゃん。並ばなきゃ売り切れるぞ?」
あまり食欲の無い私は、ポテトだけにした。
約五分かけて、やっと買い終えた。
「ユウ、ポテトだけ?」
かななんが私に言った。
「うん。あんまり食欲無いからね」
「ふーん……」
ポテトだけの私は一番に食べ終わり、みんなが食べ終わるのを待っていた。
「じゃあ……、みんなはこれからどうする?」
「フリマ行きたーい」「私もー」
楽音歌と鎮紅はフリマに行きたいらしい。
「かななんは?」
私が尋ねると、かななんは、
「オレはパス。興味無ぇからな」
と、片手を挙げて拒否した。
「じゃあ、シズク達は行くよ?」
「くるみも行くーっ」
胡桃が鎮紅達を追いかける。
今この場には、私とかななんの二人だけとなった。
「って、ユウは行かねーのか?」
「うん。かななん一人じゃ暇でしょ?」
「いや、そんなこと気にせんでいいけど……」
「いいの。私が、かななんと居たいの」
「そ、そうか……?」
二人でどうするか迷った挙句、教室に行くことにした。
「かななん、お菓子食べる?」
私が制服の裏ポケットからお菓子を出す。
校則上、お菓子の持ち込みは禁止だ。
「何それ?」
「ブドウ味のキャンディ」
「ほう。じゃあ貰おうかな」
袋から一つ取り出し、かななんに渡す。
その代わりに、かななんが私にガムを渡してきた。
「それ、お返し。スライム味だってよ」
「ありがとうっ」
話題が無くなり、互いに黙々とお菓子を食べた。
(気まずいな……)
何とかしようと思うが、何を話せばいいのかわからない。
「――あのさ、ユウ」
「えっ、何?」
いきなり声をかけられ、少しビックリする。
「何でユウって……、オレに優しいんだ?」
「え?」
かななんの質問の意味が、よくわからなかった。
「こんなオレに優しくしても、なんも得しねーぞ?オレ、性格も顔も最悪だし、一緒に居ても楽しくねーだろ?」
「そんなこと無いよ」
かななんが居てくれたから、今の私が居るんだ。
「見返りを求めて仲良くなった訳じゃないし、得とか損とかの問題じゃないよ。かななんは優しいし、頼れるし……。今まで出会ってきた友達の中で、一番最高の友達だよ?」
「そんなこと無ぇだろ」
「そんなことあるの。質問の答えは一つだけ――友達だからだよ」
「トモダチ……」
「友達だから優しくしたり、一緒に居るのは当たり前、でしょ?」
正確に言えば……、かななんが好きだから。
なんて言葉は、今は心の中にしまっておく。
「……ユウは、いい奴だな」
「そうかなー」
「オレ、正直『人間不信』なんだよ。でも……、ユウなら信じれるかもな」
誰かを信じるのは怖い。私もその気持ちはわかるよ。
「ユウはオレを裏切らないって……、信じてもいいか?」
「もっっちろん!」
私は最高の笑顔で答えた。
私は絶対に、かななんを裏切ったりはしない。
このとき、私はそう誓ったんだ――。




