表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女子高生達の裏事情  作者: 夢未 照代
第四章~崩れていく絆~
33/61

文化祭②

作者ゎ只今テスト期間です(笑)


外にある出店には、大量の行列が出来ていた。

「これ並ぶのー?ヤダなー」

「仕方ないじゃん。並ばなきゃ売り切れるぞ?」

あまり食欲の無い私は、ポテトだけにした。


約五分かけて、やっと買い終えた。

「ユウ、ポテトだけ?」

かななんが私に言った。

「うん。あんまり食欲無いからね」

「ふーん……」

ポテトだけの私は一番に食べ終わり、みんなが食べ終わるのを待っていた。


「じゃあ……、みんなはこれからどうする?」

「フリマ行きたーい」「私もー」

楽音歌と鎮紅はフリマに行きたいらしい。

「かななんは?」

私が尋ねると、かななんは、

「オレはパス。興味無ぇからな」

と、片手を挙げて拒否した。

「じゃあ、シズク達は行くよ?」

「くるみも行くーっ」

胡桃が鎮紅達を追いかける。

今この場には、私とかななんの二人だけとなった。

「って、ユウは行かねーのか?」

「うん。かななん一人じゃ暇でしょ?」

「いや、そんなこと気にせんでいいけど……」

「いいの。私が、かななんと居たいの」

「そ、そうか……?」

二人でどうするか迷った挙句、教室に行くことにした。



「かななん、お菓子食べる?」

私が制服の裏ポケットからお菓子を出す。

校則上、お菓子の持ち込みは禁止だ。

「何それ?」

「ブドウ味のキャンディ」

「ほう。じゃあ貰おうかな」

袋から一つ取り出し、かななんに渡す。

その代わりに、かななんが私にガムを渡してきた。

「それ、お返し。スライム味だってよ」

「ありがとうっ」


話題が無くなり、互いに黙々とお菓子を食べた。

(気まずいな……)

何とかしようと思うが、何を話せばいいのかわからない。

「――あのさ、ユウ」

「えっ、何?」

いきなり声をかけられ、少しビックリする。

「何でユウって……、オレに優しいんだ?」

「え?」

かななんの質問の意味が、よくわからなかった。

「こんなオレに優しくしても、なんも得しねーぞ?オレ、性格も顔も最悪だし、一緒に居ても楽しくねーだろ?」

「そんなこと無いよ」

かななんが居てくれたから、今の私が居るんだ。

「見返りを求めて仲良くなった訳じゃないし、得とか損とかの問題じゃないよ。かななんは優しいし、頼れるし……。今まで出会ってきた友達の中で、一番最高の友達だよ?」

「そんなこと無ぇだろ」

「そんなことあるの。質問の答えは一つだけ――友達だからだよ」

「トモダチ……」

「友達だから優しくしたり、一緒に居るのは当たり前、でしょ?」

正確に言えば……、かななんが好きだから。

なんて言葉は、今は心の中にしまっておく。

「……ユウは、いい奴だな」

「そうかなー」

「オレ、正直『人間不信』なんだよ。でも……、ユウなら信じれるかもな」

誰かを信じるのは怖い。私もその気持ちはわかるよ。

「ユウはオレを裏切らないって……、信じてもいいか?」

「もっっちろん!」

私は最高の笑顔で答えた。


私は絶対に、かななんを裏切ったりはしない。

このとき、私はそう誓ったんだ――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ