慣れない都会
作者ゎ田舎者なので、
都会のコトゎよく解りませんッ(爆
まぁ、暖かい目で見てやッて下さい○┓ペコリ
やたら高い建物、やたら多い人、そして、少しガス臭いこの街。
田舎者のウチ、田川 癒羽にとっては物凄く珍しい光景だ。
ウチが田舎から遠い都会に越してきた理由、それは、中学の頃のいじめが原因だ。
そのせいで今、長い前髪とフードを被って、視界を狭くして過ごす日々が続いた。
「お待たせ、癒羽」
ウチのお母さんが、銀行から出てきた。
「行こか」
「うん」
まだ田舎に住んでた頃の訛りが消えないウチらは、これから過ごしていくのに少々不安があった。
これで大丈夫なんやろうか……。
自宅に到着。
前の家とは違い、結構オシャレだ。
あと一週間経てば、ウチは高校生となり、高校に通わなアカンことになる。それまでに、この訛りを何としてでも消したかった。
「癒羽、これ、ちょっと隣の伊藤さんとこに持って行ってくれん?」
「……なんこれ?」
風呂敷に包まれた箱――。明らかに田舎者丸出しだ。
「『いつもお世話になってます』の感謝の印やよ」
「何でウチなんよ?お母さんが行ってよ」
「お母さんは忙しいねん。よろしく」
結局、ウチが渋々行くことに。
最近よく言われる、コミュ障(コミュニケーション障害)のウチには、隣の家に何かを届けることは大の苦手。
伊藤さん家の前に立って、深い溜め息をつく。
そして、恐る恐るインターホンを押した。
少ししてから、伊藤さん――の、見た感じ小学生と思われる子供が出てきた。
「あ、田川さん。どうしたんですか?」
彼女は、小学生とは思えんぐらいしっかりとした口調で問いかけてきた。
「あ、え、えっと……、こ、これ、ウチ……ワタシのお母さんが……」
「……え?」
ウチの言葉を聞き取れんかったんやろう。彼女はキョトンとしてる。
恥ずかしくなったウチは、強引に彼女に荷物を渡して、さっさと自分の家に入った。
「ちゃんと渡して来てくれた?」
「うん、まあ」
渡したのには変わりない。曖昧な返事で誤魔化した。
「ちょい本屋行ってくるわ」
翌日、これから過ごしていくのに何かためになる本は無いかと思い、本屋に行こうとした。
「アンタ、まだ道とか覚えれてへんやろ?大丈夫なん?」
お母さんは自分もついて行こうとしたのか、着替えだした。
「まあ大丈夫やろ。迷ったらメールするし」
そう言って少し苦笑したあと、「行ってきまーす」と言って家を出た。
……と、数分後、早速迷子の自分。さすが方向音痴の自分だ。どこで道を間違えたんだか。
取り敢えず今来た道を戻ってみる。が、どこも人が多い光景は、どれも同じ光景に見えた。
お母さんにメールするかと思い、携帯を取り出したその時――。
「――あれ?田川さん?」
突然声をかけられ、ビックリして携帯を落としてしまった。
声をかけてきたのは伊藤さんやった。
「ご、ごめんなさいっ。携帯、大丈夫ですか?」
携帯はいつも通り起動してる。何とか大丈夫らしい。
ウチは何も言わずに、コクンと頷いた。
「良かった。あの、どこか行くところだったんですか?」
「……本屋に」
あまり自分の訛りを聞かれたくなくて、その一言だけ答えた。
「本屋はこっちじゃないですよ?良かったら一緒に行きましょうか?」
ちょっと躊躇したが、断る理由が無いから教えてもらうことにした。
小学生に道を教えてもらう自分て一体――。
そう思っていると、伊藤さんは話題をふってきた。
「本屋で何を買うつもりですか?」
「え……と、これから過ごしていくのに、なんか参考になる本は無いかと……」
なるべく訛りが出ないように頑張って喋ってみる。
「ああ、そういうのは本を買うより、身近な人達に訊く方がいいと思いますよ?」
「……」
身近に知り合いがいないもんでねぇ……。
「良かったら、相談にのりましょうか?」
「え……」
「何の役にも立たないかも知れませんが、街の案内とかなら出来ますし」
「……じゃあ、あの……、標準語……ってのを、教えてほしいです」
「標準語?」
「ワタシ……、まだちょっと訛りがあるから……」
「いいですよ。じゃあ、私の家に行きましょうか」
「え、で、でも……」
「家で教える方が集中出来るでしょう?」
いや、逆に集中出来ないんですけど……。
最初は拒否してたけど、仕方なく行くことに。
伊藤さん家の中は、結構広く、何でか少し落ち着ける雰囲気があった。
「えーっと、お茶でいいですか?」
「えっ、い、いや、いいですっ」
「え?あ、お茶でいいってことですか?」
「いや、あの、そうじゃなくて……、えっと……」
「?」
早く標準語を覚えたい。そう思った瞬間だった。
「あの、どうして標準語を覚えたいのですか?そのままでもいいと思いますが」
「……一週間後、ウチ、じゃなくて、私、高校に通うから……そのために……」
「高校生なんですか。高校はどこに行かれるんですか?」
「則月高等学校に……」
「則月高校?私と一緒ですっ」
「……え?」
一緒、ということは……?
「あの……、もしかして……」
「よく間違われますが、私、これでも高校生ですよ?」
ウチは驚きで絶叫し、沈黙が続いたあと、目的の標準語の勉強に入った。
それから毎日、伊藤さんの家に行き、標準語を教えてもらった。少しは標準語に慣れてきたかな。
「田川さん、だいぶ標準語にも慣れてきたみたいだね」
「うん、伊藤さんのおかげだよ」
そして、伊藤さんとは同い年だとわかり、互いにタメ口で喋ることにした。
「あとは、見た目かな……」
「見た目?」
私の呟いた言葉に、伊藤さんが首を傾げる。
「私、このままじゃ嫌われるかなって思って……」
「うーん……」
伊藤さんは、私の顔をじーっと見つめた。
その視線が怖く感じ、逸らしてしまう。
「前髪、切った方がいいかもね」
「……やっぱり?」
周りの視線が怖く、私は敢えて前髪を長くして視界を狭くしていた。が、きっとこれもいじめの対象だったのだろう。
「ねえ田川さん、都会に越してきた理由って何?」
「……いじめだよ」
伊藤さんが目を見開いて、少し沈黙になった。
「……ご、ごめん。余計なこと聞いちゃって」
「ううん。私ね、中学に入ったらいじめの対象になっちゃったんだ。なぜだか分かんないけど。で、それから周りの視線が怖くなって、こうやって髪を全体的に長くして、視界を狭くしたのよね。まあ、それが逆効果だったのかもしれないけど」
淡々と話す私の言葉を、伊藤さんは黙って聞いていた。
「だから、『私のことを誰も知らないところに行こう』と決めて、ここに来た訳」
「なるほど……」
それから再び沈黙になった。
「……田川さん、下の名前は何?」
「癒羽だよ」
「じゃあ、癒羽って呼んでもいい?私のことも、楽音歌でいいからさ」
「いいよ。よろしく、楽音歌」
次の日、私は散髪屋に行き、髪をバッサリと切った。
少し表情が明るくなったかな……。
「癒羽、髪切ったんだっ」
今日は高校の入学式。楽音歌は私を見た途端、目を見開いた。
「うん。変かな……?」
「全然っ!似合ってるよっ」
「そう?ありがとう」
楽音歌が居るからか、私の中には不安は無かった。
学校に着くと、クラス表が配られていた。
それを受け取り、自分のクラスを確認する。
「私、1組だよ。癒羽は?」
「えっ?私も1組だよっ」
「本当!?やったあっ!!」
周りのことなど気にせず、私達は大声を挙げて喜んだ。
ここ、則月高等学校、通称「ノリコー」は女子高だ。どこを見ても女子ばかりという光景に、少し戸惑う。
教室に入ると、何人かが教室に居た。
みんな緊張しているせいか、誰一人話さない。
「やっぱり、席離れちゃうね」
「うん」
黒板に書かれている通り、指定席に着く。
この教室に入って一番に目に入ったのが、楽音歌とは対照的にかなり背が高い子だった。
少ししてから、このクラスの担任らしき人が入ってきた。
「えー……、みなさん、揃ってますね」
結構年配なおじいさんだ。
「はい、ここのクラスの担任となる、削摩です。君達の学年の副主任をしています」
優しそうな笑顔で話す担任は、何だかいい人そうに見えた。
この日は、体育館で校長の話を聞いて終わった。
クラスに慣れるには、まだ時間がかかりそうだ。
「楽音歌、見た?私らのクラス、かなり背が高い子いたよね」
「どうせ私はチビですよ」
そう言って、楽音歌は口を尖らせた。
「ははっ、ごめんごめんっ」
これからの高校生活に、私は少し期待していたのだ。
文章力の無い自分が可哀想だぜ(^q^)
次回ゎみんな登場しますョー(´∀`)